短編
□拾
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「ごめんなさい…僕が早くに真選組に知らせて行けば…」
「いや、新八のせいじゃねぇよ…俺が奴らの狙いも知らずにあいつをあんなところに連れていったから…」
畜生と苦虫をかみつぶしたかのような顔をし銀時は万事屋のテーブルを力無く殴った
「そんな銀さんのせいじゃありませんよ…だってもとから高杉さんが狙われてたなんて知らなかったんですし」
「…だけどよ…俺は神楽ばっかに気をとられて高杉に気を向けてなかった…」
「銀さん…」
うなだれるかのように頭を抱える銀時に新八は心配そうに声をかける
「新八ももう帰れ…そろそろ帰らないと姉さんが心配するぞ」
「…でも…」
「このことは明日話そうぜ…今話しても自分を責める事しかできねぇんだ」
銀時は時計を見れば新八を玄関へと追いやった。時刻はすでに午後11時を回っていた
「…そうですね、わかりました…おやすみなさい銀さん」
新八は銀時の言葉に頷けば頭をさげ万事屋から出て行った。
「銀ちゃん…」
「神楽起きていたのか…」
「銀ちゃん…ごめんアル…高杉がさらわれたのは私のせいアル…」
「そんな…神楽のせいじゃねぇよ」
「違うアル!!…私高杉に嫉妬してたネ…銀ちゃんも新八も高杉高杉って言って構ってくれなかったから…でもそのせいでサドにも怪我させて高杉もさらわれて…」
神楽の言葉に銀時は驚くも銀時は決して神楽を怒ることはせずに神楽の頭を優しく撫でた
「…そうだったのか神楽…お前に構ってやれなくて悪かったな…」
「…銀ちゃん…」
「ほら、もう寝ろ…明日は朝から働かなきゃなんねぇんだ」
「…うん…おやすみアル銀ちゃん」
神楽は銀時に頭を撫でられながらそう言っては自分の寝床へと走っていくのだった
「…あぁおやすみ」
銀時はそんな神楽を見てながら深いため息をつくのだった
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