短編集
□壊れた心は戻らない
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「じゃあ今日から刹那ちゃんは春雨の一員ね」
來の後ろから、春雨の船が現れた
刹那が乗り込もうとした時だった
「行くな…」
「…!!」
刹那は振り向く
倒れた高杉が刹那を止めた
掠れた声が鼓膜に響く
「刹那…行くな…!!」
「……」
「刹那ちゃん、行くよ」
「…はい、來様」
「!?」
刹那は高杉に背を向け、歩き出した
「残念だったね、高杉。刹那ちゃんの心はもう僕のものだからさ〜」
「せ…つな…!!」
「君達とは手を結んでいるから、殺さないであげるよ♪」
刹那と來は船に乗り込んだ
「じゃーねー」
ヒラヒラと手を振る來
春雨の船は宙(そら)へ消えた