短編集
□壊れた心は戻らない
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「じゃあ刹那ちゃん、ここ座って」
刹那は差し出された椅子に座った
頭に妙な装置を付けられた
來は刹那の顎を掴み、くいっと持ち上げた
「刹那ちゃんさぁ、まだ心消えてないよね?」
「……」
何もかもを失ったその瞳はどこも見えていない
「これから完全に心消すから♪」
そう言うと來は刹那に見せ付けるように、リモコンのスイッチを押した
頭の中で何かが消えていく
記憶も心も
ナニモカモガ、キエテイク
「じゃあまた来るから♪」
來は部屋の戸を閉め、去って行った