2

□はじめての
2ページ/5ページ


シンクはラルゴ、アッシュと共にイオンを連れてザオ遺跡にあるパッセージリングへの入り口・ダアト式封呪の前に来ていた。
イオンが術を解けば後はヴァンが待つアクゼリュスまで届ければいい。そんな風に軽く考えてはいたがちゃんと親善大使一行が追いかけてくるだろうと予測はしていた。
…していたが、これは予想外だった。
「イオンを返せ!」
剣を構えるのは頭にタオルを巻き、深いスリットが素晴らしい、自身の髪と同じ緋色の海パン姿のルークと同じく水着姿な一行だった。
ラルゴとアッシュの顔は引きつり、イオンは「今日は水着なんですね」とのほほんとしながら辺りの空気を無視した。
シンクはと言うと…ルークをガン見していた。
仮面を付けているため、ルークは見つめられていることに気付いていない。さらに言えばシンクの顔が赤くなっているのも気付いてなかった。
シンクはご存知(?)導師イオンのレプリカだ。実年齢は2歳だが刷り込みで14年分+参謀長という役職で得た知識がガッツリ脳に入っている。世界情勢はもちろん「えっ、そんなものまで?」と聞きたくなる雑学もバッチリだ。
そんな彼は一応肉体年齢は14歳。自分の意志とは裏腹に興味を持っちゃうのが…エロスだった。
とは言っても別にのめり込んでいる訳ではない。元々淡白だし、任務やら計画やらでそれどころではない。よくて「エロ本?借りるけど後でね、書類が明日までだから」な感じである。
だからシンクは混乱していた。
淡白な自分が一人の水着姿(しかも同性)に興奮している。普段ならありえない。
こっそりとルークを観察する。
砂漠で少し日焼けした肌、細いがこれまでの戦闘で適度に付いてきた筋肉、うっすらとかいた汗、すらっとした足、全てがシンクの欲情を刺激した。


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ