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□嘘ばっかり
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貴方はいつもそうだった。




「君の誕生日を教えて?」

…君が生まれたこの日を祝ってあげたいから。



「僕のどこが好きなの?」

…君の魅力はたくさんあるから逆に心配だよ、変な虫がつくんじゃないかって。



「君のことはっきり好きか分からないけど…たぶんこの気持ちは間違いじゃない」

…僕も君が好きだよ。






ほら、貴方はウソツキです。






俺、今一人で泣いてます。


どうして、って聞かないでください。




その理由は貴方が一番分かっているはずです。




どこ行くの、って聞かないでください。




俺の居場所が貴方にないことくらい、貴方が一番気付いているはずです。







知ってましたよ、全部…全部…







貴方が心から愛していたのは、あの人なんだってこと。






だからいつサヨナラがきてもいいように…


いつ貴方を忘れてもいいように…







ずっと覚悟してました。







「僕を君のものにしてほしいな」

…付き合い始めた頃、そんなことを貴方は呟きましたね。





もちろん貴方は俺のものです。

だからこそ、俺は貴方を手放します。





貴方の幸せを、誰よりも…

貴方が愛する人よりも…


俺が一番祈っています








最後に一つ




どうしても貴方に直接言えなかったことがあります








あの人のところに、帰らないでほしかった。

俺のこと、嘘でも「愛してる」って言ってほしかった。









恋人にも、友達にも戻れない…








だけど、それでも俺は貴方との毎日に後悔はしていません。






少しでも長く続いてほしかった関係だけれど…





貴方の愛する人なら、きっと貴方を幸せにしてくれます。






だからどうか…




どうか……






貴方が悲しむ時、泣きたくなる時、怒り狂う時、後悔する時…


そんな時間が1秒でも短くありますように


そんな時間がずっと訪れませんように










「僕は君しかいらなかったのに…」



貴方に背中を向けた時、後ろからそんな声が聞こえた。



「……嘘ばっかり」



でもそんな貴方だから…



「愛してます…」



…さよなら



・end
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