Love Letter
□愛席〜運命の出会い〜
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「うん、じゃあいつもの場所で待ってるね」
そう言って家の電話を切った沢田綱吉は、支度をして家を出た。
今日、獄寺君と山本の3人で遊ぶ約束をしていた綱吉はある場所を目指して歩いていた。
恋(レン)とつけられた小さな喫茶店が綱吉たちの集合場所。
ログハウス造りでアンティークで統一された雰囲気のいい店で、そこの店長とは小さい頃からの知人だ。
「こんにちわ!」
勢いよく扉を開いて挨拶をする。
中から顔を出したのは店長の奥さんである「ナオミさん」だった。
「あら、ツナ君。いらっしゃい」
「オレンジジュースはありますか?」
「もちろんよ」
そう会話しながら店を見渡すと、どこも席が埋まっていて奥の一角席しか空いてなかった。
オレンジジュースを受け取ると、その席へ足を運んだ。
「今日も人多いな…」
割と目立たないところにある店だが、女性が好むようなセットになっているので、よく待ち合わせで来る人が多い。
オレンジジュースを飲みながらふと外に目を向けたとき、黒い服に身を包んだ色白の男の人が視界に入った。
(あの人…格好いいな)
どこかのモデルではないだろうかというほどの美形で、綺麗という言葉がしっくりくる人だった。
そんなことを思っていた瞬間、その人と眼鏡越しに目がバッチリ合ってしまった。
「っ…!」
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