その他

□マネッチアの心の在り処
1ページ/1ページ

恋い焦がれるようにカイトと言葉を放つ口が愛しい。さらりとパズルを解くカイトを見つめる瞳が愛しい。カイトを想いながらパズルを創る指が愛しい。もはや彼が思い考えながら動かす何もかもが愛しく思える。今も盤上でカイトを追い詰める姿が愛しい。

*******************

メランコリィがビクつきながら彼を見ているようだけど俺はそんな姿さえも愛しく今にも抱き締めたくなる。あんなに怖がりながらカイトと自分自身と戦う彼が…

カイトとのパズルバトルが終って尚彼は壊れたラジオのように“カイト、カイト“と繰り返していた。それはまるで懺悔を唱える天使のようだった。そんな小さく肩を震わせながら笑う彼はもはやカイトしか見えていないのだろう。皆が冷静に彼を見つめる中俺は彼の傍へと寄り添う。

「とりあえず部屋に行こうか」
「カイ、ト…?ふふふ、そうだね。カイトとパズル解きたかった、から、ね。ずっと楽しみにして、たん…、だ」
「………。…そうだね。じっくりパズルでも解こうか」

真っ直ぐと俺を見つめている瞳が年相当の笑みを浮かべた。まだふらつく彼の手を取りエスコート。周りは呆れたように見て各自の部屋に戻ったようだけど俺はそんなの気にしない。彼が俺にすがってくれて
る、それだけで嬉しいからね。

例えそれが彼の瞳に俺が写ってなくとも。俺を“大門カイト“として見立てようとも。彼の傍にいれられるのだからそれで構わない。

「さあカイト。君のためにとっておきのパズルを用意したんだ。一緒に、解いてくれるよね?ずっと傍にいるよ、ね?」
「ああいるよ。ずっとフリーセルの傍にいるよ」
「カイト…、…大好き、だよ」
「…っ…。……俺も、だよ…」

カイトと言葉を放つ口が愛しい。さらりとパズルを解くカイトを見つめる瞳が愛しい。カイトを想いながら作るパズルを創る指が愛しい。カイトを心底想うフリーセルが、――
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
SSSですね。あとシリアスっておま。
まあピノフリはシリアスになっちゃますけど。
……でも幸せにしてあげたいです…

補足→フリーセルはピノクルをカイトと見立てピノクルもそれを分かった上でカイトとして接しパズルを解き身体を重ねる、とかいう流れ、です。
言わなきゃ分からんな、これ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ