稲妻11

□寒いけれど外はもう春
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部活も終わり佐久間との帰り道の出来事だった。冬は暗くなるのが早いから部活時間も短いのだ。
でもまだ6時ぐらいなのに周りも暗くなりかなり冷えた。

そして不意に佐久間のほうを見るとマフラーはつけているがブルブルと寒さを堪える子犬に見えた。(本人に言ったら怒るから言わないけどな)

「おい佐久間、寒いのか?」
「あ、いやー…まあ、うん……」

手を奥までポケットに入れ身体を丸めている姿からしてやはり寒いというのはやはり正解だったようだ。

そういえば小さい頃の佐久間はよく風邪をひいていたのを思い出す。俺は手袋を外し佐久間の手を引っ張った。

「な、お、おい。なんだよ?!」
「なんだよって手袋貸してやろうと思って」
「それだとお前が寒いだろ?ダメだ!」

寒さで真っ赤になってる頬っぺたをさらに赤らめ睨み付けてくる佐久間は犬ではなく猫のようだった。
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