novel
□出会い
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此所はS県スギノ村。この時まだ幼かった一ノ宮勘太郎は、幾つかの村を経て、この村に引っ越して来た。
勘太郎はやはり此所でも、色素の薄い髪や肌、紅い双目のせいで苛められていた。
しかしながら、そんな勘太郎にも1つだけ楽しみがあった。
それは、妖怪達と話したり遊んだりする事だ。
そしてこの日も村で苛められ、妖怪達と遊ぼうと思い、1人でスギノ山迄着ていた。
「よーかいしゃーん!どこでしゅかぁー?」
と勘太郎は何時もの様に皆を探す。
毎日来るうちに、此処等一帯に住んでいるほぼ全ての妖怪達と仲良くなった。
そしてここ最近、勘太郎や妖怪達はかくれんぼにハマっていた。
その為、勘太郎が来ると妖怪達はこの山の何処かに隠れ、勘太郎がそれを探し出し見つけると言う遊びをしている。
だが、この日は何処を探しても見つからない。
それもその筈、何故か此処等一帯の妖怪達が居なくなっていたからだ。
最初勘太郎は妖力がここら辺から全く感じられなかったが、妖怪達が今日は気合いを入れて隠れ、妖力をも封じ、だからここら辺から妖力が感じられなくなったのだと思った。