TIGER & BUNNY
□Un lupo piange di notte.
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ドンっと壁に押し付け、両手をまとめて左手で掴みあげ、頭の上に固定してやる。いやいや、と小さな抵抗をされるが空いた右手で顎をつかみ、そのまま唇を塞いでしまう。
「…ふっ、ぁ。」
啄む様に何度も口付けられ、酸素が足りなくなってきたのだろう。自然と空いた口に、するりと熱い舌を差し込み歯列をなり、舌を吸い。自分の思うようにに、口内を堪能する。
こちらが攻めているはずなのに目の前が、くらくらとしてきた。酸素が足りないのか、熱に浮かされているのか。
いや、そのどちらかもしれない。
何度身体を重ね合わせても、飽きる事のない。それ以上に、もっともっとと強請ってしまう程に,
はまりこんでしまう。
夢中になりすぎてしまったのだろう。
名前の身体から力が抜け、ずるずると背中が壁を滑って行く。床にたどり着く前に、腰に手をまわし抱き寄せられる。
そのまま、唇を右耳に寄せ
直接、鼓膜に声を吹きこんでやる。
なるべく、低く囁くように。
名前の一番、好きな声で。
「…なぁ、いいだろ?」
身震いをする姿を見て、わざとらしく余裕のある表情で「俺の声だけで、感じちゃった?」と、再び 耳元で囁く。
本当は、俺も限界。
今すぐにでも、押し倒して、めちゃくちゃにしてしまいたい。
名前に、顔を見られなくて良かったと心底思う。きっと、この年では考えられないほど
物欲しそうな、獣のような顔をしているだろう。
もう一度、ちゅっと軽く口付けられると耳たぶ、首筋、鎖骨、と順々に音を立てて唇が下ろしていく。名前に、どろどろとした欲情を悟られない様に。ゆっくりと、優しく。
「ぁ、ね、ちょっと待って…虎徹、さんっ。」
「…なんだよ。」
ぷち、ぷち、とブラウスのボタンを外す行為を止めぬまま視線だけを合わせる。
きっと、完全にスイッチの入った目をしているだろう。何を言われても、、止められる自信がない。今は、目の前の名前が欲しくて、たまらない。
「名前。」
「ねぇ、虎徹…。
どうせなら、ベッドに行きたいな?」
虎徹さん、から呼び捨てに変わるのは
名前のスイッチが入った合図。
自分でも気が付いていないであろう、俺だけ知っている癖。
「…しょーがねぇな。」
半分以上脱がされている衣服もろとも、抱き上げる。いきなりの行動に驚いたのか、慌てて首元に手を絡めてくる。
ベッドルームまで運ばれている間、手持ち無沙汰になったのかヒゲに手を伸ばし、指でなぞられる。擽られるような感覚が気持ちいい。
左右に、指でなぞられるだけでも今の自分には、残った理性を投げ出してしまう刺激になってしまう。
「煽る様なこと、するんじゃねーの。」
さっさとベッドルームの扉を開けると、どさりとベッドに下ろす。ゆっくりと、気遣うように下ろす、だとか。そんな心遣いを出来るほど、余裕はない。
ああ、そうだ。
扉閉めてくるの忘れたが…
まぁ、いいだろ。
それよりも、今は。
目の前のご馳走が、ただ欲しくて。
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