『日だまり』
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小さな頃に見た 『原風景』と呼ばれるような その景色
おじと 3番目の親のように なついていた彼女の
温かく 穏やか な 時間
彼女のために建てられた薔薇の垣と
捧げ合う花
ききとれなくとも
やさしい温度の声。
何度も こぼれる笑み。
『幸福』という言葉も 知らないうちに
それだと わかった 姿
覚えず宿った『憧憬』が 今も 胸を 灯す。
彼女が おじの『妻』と呼ばれるのだと知ったのは 言葉を覚えて さらに 後のこと。
当たり前のように居る彼女が、『精霊』と呼ばれるひとで
ごく限られた者にしか姿を見せていないのだ、と知ったのは
城に赴くようになった頃。
幸福なふたりの姿。
思い起こす度、
幼さへの痛みと 甘い優越が去来する。
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2013/04/09 09:49
アリオトのモノローグ