企画用

□月の一日
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「いって・・きますでえす・・。」

「・・・んじゃ行ってくるぜ。」

「・・・・・・行ってらしゃい。」

そして、家に月しかいなくなった頃・・。


「ふぁあああ〜おはよう。」

「・・・遅すぎ。」

日向と言う名前の式神ー月の気によって作られた擬似生命体は、起きました。


「あ!朝ごはんいらないからね!」

「知ってる。」

日向と月は交互にそう言いました。


「あれ?どうかした?なんか、考え込んでいるようだけど。」

日向は、月の顔をじっと30秒たっぷり見つめてから聞きました。


「私て・・。」

と月の口が重々しく開きました。

「感情ある・・のだろうか・・と思って。」

「なーんだ!そんなまじめな顔して言うから、何かと思ったよ!」

日向は、他の誰が見てもどんな表情をしているのか判断がつきかねる月のポーカー顔を見て笑いました。

日向に背を向けて、窓を見た月が呟きます。
「まだ、私には感情が・・残っているのかって心配になった。」

そんな月を見て、日向は頭をかき、「どうしたもんかなー・・。」と呟きました。

それから、「あると思うよ。とりあえず私には分かるし。」と優しく言いました。

「他の人は・・?」月は聞きました。

「誠君も、花音も分かっていると思うけどなー。」

日向は頭の上で腕を組みそう言いました。体が風船のように宙に浮いています。

「また、あの時のことを思い出す。」

月は出し抜けにそう言いました。

「あのってどの?」

月はそれには答えず、窓の外を見ていました。
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