企画用
□2000ひっと企画 コラボ:ジルバ対エミリオ
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ジルバの物ではない少年の声が辺りに響いた。
「!?ミスティア!こっちに・・。」
「止まれと言っている!!」
突然、2人の間を風が駆け抜けた。ジルバとミスティアは舞い上がる土埃に目を閉じる。
「きゃ!!」
「ぐ!?ミスティア!!」
風が引くとそこにいたのは1人の少年だった。長い髪を結び、狩衣に身を包んでいる。
「素直にあそこで止まってくれてれば穏便に済んだってのに。声掛けただけで、なんで逃げるんだよ。」
少年は不機嫌そうにそう言った。
ミスティアはばつが悪そうに、もごもごと
「え・・・だって、なんか怖そうだったから・・・逃げちゃった☆」
「・・・・・逃げちゃった☆じゃねえよ。」
「というか、お前は誰なんだ?」
ジルバの声に少年は面倒くさそうに言う。
「エミリオ。方術士だ。そこのやつが信濃国に謎の密入国してきたらしいから、捕らえにきたんだが・・・もしかしてお前も密入国者か?」
「まて・・・信濃?」
ある任務で以前ジルバはアーストリアに行きそこで信濃国の方術士と出会った事がある。色々ととんでもない目に遭わされた記憶もある。
「まあ、いっか。2人とも捕らえる方向で。」
「適当だな、おい!」
ジルバが反論するがエミリオはそれには答えなかった。その手に握られた玉が音叉を震わすような甲高い唸りと共に一本の刀へと変わる。