企画用

□2000ひっと企画 続々・エミリオ対岩田 戦うわけ
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人気のない森へと場所を変え、改めて岩田はエミリオと向き合った。


「俺もお前と戦ってみたかった所だ。手合わせ願いたい。」


「嫌だ・・・・って言ってもやるつもりなんだろ?」


「わかってるな。」


「そもそも、先に戦いを申し込んだのは俺の方だからな。」





 エミリオが懐から白い光を放つ心玉を取り出した。


「・・・それなに?」


岩田が聞いた。摩訶不思議な道具はこれまでも見てきたが、エミリオの持つそれは記憶にある物のでどれにも当てはまらない。


「心玉。俺自身の気を封じ込めた玉で、武器の具現ができる。」



エミリオの心玉が光を発し音叉を震わすような音と共に一本の美しい太刀が現れた。

岩田の目にはそれが闇夜で輝く月の姿に見えた。


「綺麗だな。」

双剣を抜きつつ、岩田が言った。エミリオは正眼に構えつつ、慎重に岩田の動きを追う。


「師匠いわく、この心玉はまだまだ不出来らしいけどな」


二人は円を描くようにゆっくりと動いた。



辺りは昨日雨が降ったせいか湿っていた。あちらこちらに水溜りが溜まっている。

と。木の葉から一滴の水が落ちた。


それが水溜りに落ち、波紋が広がる。


その瞬間、二人は動いた。
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