企画用
□2000ひっと企画 続々・エミリオ対岩田 戦うわけ
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エミリオが刀を面に向かって浴びせると岩田は一方の剣でそれを受け止め、もう一方で、エミリオの肩を狙った。
エミリオは後ろへアクロバティックに飛び下がり、その一撃を避けた。
エミリオは右上段に振りかぶり、刀が光を受けて光る。岩田に一本入れるにはこの技が一番だと判断する。
構わず、迫ってくる岩田に向けて、エミリオは己の一撃を放つ。
ー月影一閃
刀が月のように煌き、刀が岩田の肩に向かって吸い込まれていく。
「ぬおおおお!!?」
岩田が咄嗟に左の剣を防御に回した・・・・が。
エミリオの刀は確かに、岩田の剣に弾かれたように見えた。いや、少なくとも剣に当ったかのように見えた。だが、エミリオの刀は岩田の防御を“すり抜けて”、そのまま、岩田の左腕に食い込んだ。
「がああ!?」
今起きた現象を理解するよりも先に、岩田は後ろに下がった。エミリオは肩に刀を掛け、賞賛の言葉を送る。
「咄嗟に左腕を防御に回したのは良かったな。今、俺が使ったのは月影一閃。方術の基礎である幻術を組み合わせた技だ。方術で相手の視線を狂わせて太刀筋を見誤らせさせ、その隙を全力で打つ。」
岩田の左腕から血が流れている。死にはしないだろうが、放っておくと菌が傷口から侵入するかもしれない。
「すげえな。だが、それでこそ俺が認めた男だ!!」
「・・・え?そうなのか?」
岩田が眼鏡の底光する視線を向けて言うのをエミリオはびっくりしながら聞いた。
それより早く手当てした方がよくないか。
「行くぜ・・・。」
「わかった。」
岩田が再び動く。エミリオは再び上段に振りかぶった。
ー月影一閃
幻術を交える事で、こちらの太刀筋を見誤らせ、そこに出来た隙を狙う技。
ーだが。