小説『捕獲屋』
□第八話【破られた約束】
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[ブラック視点]
何も見えねぇ……。
俺は真っ暗な闇の中にいた。
影がまとわりついていて身動きが全くとれねぇ……。
まあ別に動けたところで状況は変わらないけどな。
後悔はしてねぇ。
「フッ」
自然に小さな笑いが漏れた。そもそも全部、作戦通りに進んだ。
ハピネスは『捕獲屋』に任せた。
『捕獲屋』があいつの新しい居場所だ。
俺が『紅月』に捕まった、最初から逃げようと思えば何とか逃げられたんだ。
ただ捕まったほうがいいと思った。
俺がいなくなれば、ハピネスは幸せになれる。
寝ることにした。
次にどんな場面になっても対応できるように、体力を回復しておく。
怪我も手伝ってすぐに睡魔が襲ってきた。
俺は意識を手放した。