『Re:捕獲屋』
□第1話『災厄の狼か……それとも』
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山の中にある3階建の大きな美術館。
警備員は中華風の服を着た女が倒していた。
中華風の女の後ろを身なりのいい男がついて、いっていた。男は一見身なりが良さそうに見えるが、ヨレヨレの服を着ている。
様々な展示物を無視していき、隠し扉を開けた。扉の先の石畳の床を歩いていく。
広い部屋に出た。真ん中には黒い棺が置かれていた。
「あれよ」
女の指示で男は棺の蓋をバールでこじ開けた。
そこには金髪の美しい青年が胸の辺りで指を組んでいて横たわっていた。
ピクリとも動かず、まるで精巧な人形のようだ。おかしな点といえば黒い拘束衣を着ていた。
「これは何ですか?」
「それに触れ」
「わかりました……」
恐る恐る男はその人形に触れた。
それまでまったく動きがなかった人形のような男の目がパチリと開いた。
「ひぇっ!?」
男は驚き、大きく尻餅をついた。
「悪魔よ! 私に従え!!」
悪魔と呼ばれた美青年はその言葉に従う様子はまったくなく、ゆっくりと身体を起こす。
「いや、解いたのは貴様ではない。俺の復活を望む者には解けない封印だ」
美青年は瞬時に人間離れしたスピードで男との距離を詰めた。
気付いた頃にはすぐそばに悪魔がいたので、男はさらに怯える。
「解いたのは貴様だな」