NARUTO
□白い吐息
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「わぁー、息が真っ白だー」
楽しそうにはしゃぎながら歩くテンテン。
隣にはそんな彼女を愛しそうに見つめるネジ。
はー、と何回も息を吐き、その度に白くなる自分の吐息を見つめる。
そんな二人は任務帰りで一緒に家路に着いていたところだった。
「もう11月だしな…。」
寒そうに首をすくめる彼。
「今年も雪降るかなー?」
わくわくしながら自分の手に息をふきかけるテンテン。
彼女の指先は、寒さで紅く染まっていた。
そんな彼女の手をそっと、彼の手が包み込む。
「………!!」
彼を見ても顔色一つ変えず、黙々と歩いている。
「ネジの手…あったかい。」
「お前の手が冷たすぎなだけだ。」
そう言いながらも、ぎゅっと手に力がこもり、より強く手をつなぐ。
「…早く家帰ってあったまろ?」
「そうだな…。」
二つの白い吐息に、寄り添う二人の影。
寒いはずなのに、なぜか二人のまわりにはあたたかい空気が流れてて。
そんな冬のある日の風景。
→あとがき