自己中心的精神病多重人格少年
□面談
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あの一週間の間ずっと意識を集中してた状態からやっと解放されて、今は飛行船の中。最終試験は何をするのやら……。
「そーいえば、俺を入れて新人が7人もいるよ。今年はホントに面白い時期だったんだな。
まっ!やっぱりゴンがどんな新人より一番賢いけど〜☆」
4次試験で生き残ったのは10人。(ほとんど俺が潰しちゃったからな…)
勿論、あの三人組は生き残ってるよ。でなきゃあの時ヒソカが見逃した意味がないし、キルアはこんなの軽々クリア出来るだろうし。
三人ほど知らねぇ奴がいるけど、それは観察しながら実力を見ればいい。(どうせすぐ飽きる)
「いよいよ最終試験だな」
「うん」
おっと!飛行船の中をブラブラしてたら捜索中のゴンとクラピカ発見。
何か話してそうだし……こっそり聞いちゃえ(笑)
「ここまでこれたのもゴンのおかげだ」
「そんなことないよ」
「……ゴン」
「ん?」
「4次試験中に何かあったのか?合流した時の様子が少しおかしかったのが気になってな」
もしかして、プレート取られたこと気にしてるのかな。(ヒソカに渡したのはマズかったかも)
「オレの獲物、ヒソカだったんだ」
「!」
「スキをみて一度はプレート奪ったんだけど、オレも他の奴に尾けられててさ毒矢にやられて、あっさりそいつにプレート取られちゃった。
結局、その後ヒソカがそいつから奪い返した自分のプレートをオレに置いてったんだ、貸しだとか言って」
……ヒソカの野郎。どーしていっつもそんな上から目線なんだよ。(確かにゴンはまだお前より弱いさ!)
どうせこうなるなら自分でゴンに渡せばよかったぜ。
「いらないって言ったらぶっとばされて、『ボクを殴ることができたら受けとってやる』ってさ。
やり返せなかった自分自身がすごくくやしくて」
「あ」
「はは…その後なんか無性に情けなくて淋しくなってさ、あまりにも自分の力が不足してるような気がして。
だから、誰かのそばにいて誰かの役に立ちたくなった…のかな。それで2人を探しまわってたんだ」
「ゴン。私もレオリオもお前がいたからここまでこれたんだぞ。本当に感謝している」
「オレの方こそ、ありがとう」
ヒソカのや・ろ・う〜〜〜〜!!!俺の愛しのゴンを泣かせやがって…許すまじ!
「きっとレイに頼ってたんだと思う」
「レイに?」
「うん。ヒソカに殴られた後、ずっとレイの名前を無意識に呼んでた。そのことに気づいて、自分がどれだけレイに頼ってたのかが分かったんだ。
オレ…レイみたいに強くなるよ!」
「…そうだな」
ヤバイ…ゴンにこんなこと言われちゃ……涙で前が見えないよ〜!!
あんなこと言われて俺が我慢できると思うか?(あはは、無理に決まってんだろ)
光の速さでゴンに抱きつきましたよ。あ、でも盗み聞きしてたのは内緒で。
「ゴン〜〜〜〜!!!お前はやっぱり俺の天使だ!」
「うわっ!?あ、レイ!いつからいたの?」
「今さっき、ゴンの姿が見えたからダッシュで来ました☆
一週間という長い月日…。太陽が沈んで月が昇っても、考えることはゴンのことばっかり!俺のせいでゴンに迷惑かけんのは嫌だったからさー。
一週間って思ってたより遅く進むんだな…。ゴンがいないだけであんなに世界が一瞬で滅ぶんだな」
「少しは弟離れしろ!それはいくらなんでも異常だ!!」
「怒るなよ〜クラピカ恐い〜」
「………」
うわースッゲー冷めた目で見られてる。俺って痛い子〜。
さてさて、遊びはここまでにしていい加減最終試験の説明くらいするはずだ。…多分だけど。
「やっぱ、2日間もあの状態だとさすがに疲れが溜まってるな。ゴンー、一緒に休まない?俺一人だと寂しいし、ゴンと一緒にいたいし」
「いいよ。オレも疲れてるから!」
「!」
その笑顔マジでか・わ・い・い!!!
なんですかその笑顔!?俺を気絶させる気ですか!?(もう誰にもあの笑顔は見せたくない)
絶対に俺の弟は世界一可愛くて強くて賢い天使のような弟ですよ!ここに俺、レイは宣言します。
(ゴンが俺と同じくらい強くなった日が楽しみだ)(きっと、惚れちゃうだろうなぁ)
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