自己中心的精神病多重人格少年

□出発の日
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「許してやんなよ。試験を受けるくらいさぁ」
「そうそう。ゴンなら立派なハンターになれるって」
「レイも行くんだしさ」



最初は俺も反対したけど、理由を聞いて…まぁ今ではゴンの味方。(ゴンの可愛さにやられた訳じゃないからな!)
俺も一緒に受けることで一先ずは収まった。
母さんが出した試験もクリアしちゃったことだし、言う事なしだな。



「約束を守れないような人間にはなるなって、教えてくれたのはミトさんだよ!!」
「……」
「ね!!」



母さんはいまだ納得してないようだけど、許可はしてくれた。さぁて、早速出しに行きますか!



「ありがとう」
「よっしゃ!行こうぜ、ゴン!!」
「うん!!」



ポストに入れて、完了。



「ふ〜。後は待つだけか」
「そうだね。オレ、ちょっと寄りたいとこがあるんだ」
「そっか。早めに帰ってこいよ」
「分かってるって!」



ぎゅん!

…………。
本当に嬉しかったんだな。早すぎだろ。いつか早すぎて木とかに頭ぶつけんじゃね?
少し心配だけどゴンの石頭なら大丈夫だろう(逆に木の方が危ない)


家に帰ったらハンター試験の準備でもするとしよう。あまり多くても邪魔なだけだから必要最低限のものだけを用意しなきゃ。
基本はきっとハンター試験で危なくなるだろうゴンのために。(フラフラどっか行かないように縄とか)
あ、あとは家族には秘密でやってる仕事を暫くお休みしますと連絡しねぇと。


がちゃ。



「ただいまー」



予想した通り、母さんはやけ酒。
確かに、親子二代でハンターになるって結構やだよな。特に、母さんは何か訳ありっぽいし。

ゴンの父親であり、俺の父親でもあるジン。

どこから聞き出したか知らないが、ゴンはジンの事を知って自分もハンターになるって言い出したんだよな。
…………。

ホント迷惑な親父だよな。

いつの日か知る時は来るだろうけど、早すぎるだろ。だってゴンはもうすぐ12になるガキなんだぜ!?(人の事言えない)
それに、ハンター試験って言ったら死人は付き物。そんな命を懸けたような試験に一人で行かせる訳ねーだろ。

ゴンの事だから自分の力で試験を受けたいって言うに決まってるけど、ゴンがマジで危なくなったら俺は絶対にゴンを助ける。
怒られるかもなぁ。でも、死なれちゃ俺も困るんだよ。



お前はたった一つの俺の特別だからな。



「やっぱ、俺ってゴン依存症だな。あいつの傍を離れるなんて考えられねえ。

 滅茶苦茶大切なんだよなぁ」
「あんた、やっぱりアイツの息子だわ!!」



ばたん!!

下で何やら母さんが暴れてる。きっと、ジンの事をゴンと話したんだろうな。
それでも、ゴンは行くって言うだろうけど。



「あ〜あ。ゴンを襲う奴がいたらどうしよ」



言葉とは裏腹に、もうどうするかなんて決めてある。



「うん。そうだな。

 先に俺がそいつを壊しちゃえばいいよな?」



しょうがないだろ。

俺の大切なものを傷つけようとするお前が悪いんだから。(俺のせいじゃないよ)


(そういう考えを、自己中心的って言うんだよ)


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