作文。
□黄金クリームメロンパン
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時計をみたら、10時をまわっていた。
膨大な練習メニューをこなした後で、腕をあげることすら、もうしんどかった。
汗のひいた体に当たる夜風が心地よい。
今日もやりきった、という充実感だけを携えてオレたち野球部の面々はのろのろと自転車をこいでいく。
帰りは必ず、みんなで学校近くのコンビニに寄る。
自転車をとめて店内に入ると、みんな一目散に食品コーナーに向かった。
(やっぱり肉まんか、普通のあんパンか…)
迷えるオレの財布の中には142円ぽっち。
今日は出来れば甘くてボリュームのあるものが食べたかった。
『黄金クリームメロンパン』なる新商品が目を惹きつけてやまなかったが、さすが黄金というだけあって250円もする。
到底手が届くものではなかった。