野良猫幻想夢(低)

□紅き禁忌の果実
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「やっと…きてくれたね」

ガンッと弾けた音と同時にフランは空中に
移動しトレインを誘うように見つめている

「………」

「トレイン…あそこに居るのは…」

遅れて現れた咲夜の視線の先には幽香の
姿がありフラン同様様子の違いに気付く。

「まさか…アンタまで…」

「その子も本能とやらに呑まれちまってるぜ咲夜ちゃん」

「フフッ…」

「ハートネット…助かりましたよ」

「気を抜いたな?普段のアンタならあんなに接近を許すなんてことない筈だ」

「…私達も説得を試みましたがやっぱり…私達では駄目でした。だからあの子は……アナタが助け出してください」

「当然だぜ。その為に来たんだ」

「ずっとまってたよ。あたまのおくにひっかかるそんざい……あなたはわたしのてではかいする」

「フラン…(その引っ掛かる感覚が…まだお前が抵抗している証なんだよ)」

「わたしについてきて」

そう言うが早いかフランはトレインを誘い
更に奥の方へと飛び去っていく。

「あっ!待てフラン!」

「トレイン。私達が幽香を抑えます……アナタはフラン様を…」

「咲夜…」

「本当は加勢に行きたいですが幽香相手ではこちらの戦力を削るワケにもいきませんので…」

「…分かった。こっちは任せるぜ咲夜……セフィリア達も頼む」

「分かりました。なのでフランさんの件はアナタに全てを任せますよ」

「必ず連れて帰れよな!」

「死ぬなよ!」

「ご武運を…」

「あぁ!(悪いな霊夢……お前の言葉を無視してでも俺は…フランを止める)」

全員に見送られトレインも少し遅れて後を
追いフランの向かった先へ飛び去っていく

「そんじゃあ…」

全員の視界が幽香へと向けられると武器を
再び構えて臨戦態勢に入るセフィリア達。

「こちらもやりますか」

「君もすぐに助けてあげるでやんすよ!」

「油断は禁物ですよ……彼女の一撃は大きいです」

「もう少しでみんなが加勢に来ます!それまでは耐えてください!」

「私を止められるとでも?」







鬼ヶ原の果てとも呼べる此処は『鬼ヶ丘』
…その昔鬼同士の真剣勝負が行われていた
この場所にトレインとフランは降り立った

「あなたはふしぎなひと。こわしたくて…ウズウズする」

その言葉と同時に殺気の波動がトレインに
放たれるもトレインの表情は変わらない。

「俺がお前を…必ず救う!」



Quod Erat Demonstrandum

俺達の行方
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