野良猫幻想夢(低)

□虚空邸
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時間は少し遡る。鬼星隊の繰り出してくる
弾丸の嵐にアリスは回避を続けていた。

「ハッハッ!かわしてばかりじゃいつまで経っても拉致が空かないぜ!?」

一方的に攻める鬼星隊に対しアリスの方も
ここで漸く人形達を動かして攻撃に出る。
剣を持った人形を展開して鬼星隊の死角を
突くと剣が機関銃を貫き真っ二つになる。

「ハァ…」

アリスは呆れていた。あまりにも芸のない
乱射にある意味言葉を失っていた。

「もうこれ以上待ってても何も出ないっぽいしそろそろ終わらせるわ」

アリス自体結構好戦的な性格の為鬼星隊の
体を見てもっと凄い攻撃をしてくるのかと
少し楽しみにしていたが乱射という期待を
裏切られた品のない攻撃にがっかりすると
アリスは剣を持たせた人形達を楯を持った
人形達の後ろに付かせて左右から攻める。
アリスは左から、人形達は右から鬼星隊へ
接近するが既に新たな武器を構える鬼星隊

「1つ武器を潰したぐらいで良い気になるなよ!?分かれたって無駄だ!俺は全体を攻撃するぜ!?」

そう言うと新たな機関銃で鬼星隊は乱射を
再開する。ワンパターンな攻撃にアリスは
最後まで呆れ顔で迫る弾丸の全てを身軽に
かわし人形達もスイスイと避けていく。

「糞!こんなに近いのに何故攻撃が当たらないんだ!?化物か!?」

「アンタがそれを言う?」

「こんなとこでやられてたまるかよ!」

「!?」

すると奥の手か左腕の部分を外して中から
サイ○ガンのような形状をした銃器が姿を
現してアリスへ向けられる。収束する光に
流石のアリスも余裕の表情が変わる。

「とっておきだ!人形諸共消し飛びやがれ女!!」

エネルギーが充電したのを確認して狙いを
定めようとした時だった。背後から上海の
繰り出すレーザーに腹部を貫かれた鬼星隊

「なっ!?」

「辺りはちゃんと見通さなきゃ駄目よ?」

「くそったれ…がぁ…!」

バチバチと風穴の空いた腹部が引火して
火器に到達すると鬼星隊は爆発を起こし
バラバラに吹っ飛んでしまう。アリスの
足下に焼け焦げた首が転がると鬼星隊は
途切れ途切れの言葉でアリスに警告する。

「皆…殺しだ…この先に…待つ…妖怪達によって…お前…は…確実に…死…ぬ…」

「…上等よ。誰でも掛かってきなさい」

警告を告げて機能停止した鬼星隊に上等と
闘牙を燃やすアリスは人形達を回収すると
先の続く廊下へと向かい奥を目指していく



蘇る悲劇の過去

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