博麗幻天夢

□Beginning, in the reason
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翌日目を覚ますと零射は何かの異変に1人気付いていた。その異変の原因が何かも分からないまま体を起こし辺りを見渡す。

「何かが……おかしい」

なんの根拠もないが兎に角感じるこの悪寒……同時に嫌な違和感を抱きながら急いで私服の翠色の綿パンに白いポロシャツを着てその上から黒い上着を羽織り外に出る支度を済ませ扉を開くと……見えた世界は外の光景ではなく辺り一面全てが真っ暗の空間だった……よく見れば真っ暗な空間の中に不気味な目みたいなものが沢山見える……勿論そんな光景に血相を変える零射。

「な、なんだこれは!?ってうわっ!」

開けた瞬間吸い込まれるように中へと引き込まれていく感覚……その時零射は取り乱すのをやめて1人悟っていた…

「成る程……今度は俺の番か…」

呪いが今度は自分を殺すのだと思った……いつかはくると大分昔から悟っていたのか零射にはあまり恐怖はなかった。寧ろ漸くこの孤独から解放されるのだと抱き…少し嬉しさというものを感じていた…

「殺すなら殺せば良いよ……別にこの世界に何も思い入れなんかないし」

死は怖くなかった……やっとこの孤独から解放される。だが別に1人が嫌だったワケではなく自分のせいで誰かが何も罪もなく死ぬのに堪えられなかったのだ。早くこの呪いから解放されたい。楽になりたい……その思い一心で吸い込まれるように部屋の扉の先の真っ暗な空間に足を踏み入れると零射はそのまま真っ逆様に落ちていく…

「漸く死ねるんだね俺は……ごめんね……こんな風にしか人生を送れなくて」

“過去”を振り返れば人の変死しか頭には出てこない。皮肉だと思った。だが決してそれを両親のせいにはしなかった。逆にこんな人生しか送れずましてはおそらく自分のせいで死なせてしまった両親へは情けない気持ちで零射はいっぱいだった。

「次は来世に……期待するよ」

これが最期の言葉と決めた零射はもうそれ以上喋らなかった……そして抗わず流れに身を任せて底の無さそうな真っ暗な空間の闇へとその姿は消えていった…


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