博麗幻天夢
□The reality of the vision
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掴んでいた霊夢の肩を離し人に見せるには実に恥ずかしいような顔だが零射は特に気にしないで霊夢にお礼を言った。その顔を見て霊夢は苦笑しながら言葉を返した。
「酷い顔ね……折角格好良いのに台無しじゃない」
そう言うと霊夢は魔理沙の黒いスカートに付けられた白いヒラヒラ部分を引き千切りハンカチのような形に折り曲げ零射の顔を丁寧に拭いてあげる。霊夢の言葉や行動で自分の頬が少し赤くなるのを感じていた。
「あっ!お前何するんだよ!」
服を破られ魔理沙は勿論怒っていた……だが霊夢はキリッと睨み返して返答する。
「仕方ないでしょ!空気読みなさい!」
「あ〜……また新調しないといけないぜ」
魔理沙は引き千切られた部分を手で掴み何やらボソボソと呟いていた…
「なんか……全てを吐き出したらスッキリしたよ」
「でしょ?人は決して1人じゃ生きられないってことが改めて分かったかしら?」
腰に手を当て霊夢はそう言った。そして零射は自分の中である決心が芽生えた。
「…俺決めたよ」
「?」
「俺は生きるよ……そしてこの世界で第二の人生を送る」
「!」
そんな言葉に魔理沙も視界を服から再び零射の方に向けてきた。その表情は破けた服のあとなのに魔理沙も霊夢と同じようにニコッと明るく微笑んでいた…
「こんな呪いみたいなのも……必ず正体を暴いて封じ込めてみせるよ!だからもっと色々教えてくれないかな?…霊夢」
「仕方ないわね……零射がそう言うなら面倒ぐらいなら見てあげても良いわよ……ほっとくとすぐに命を捨てそうだし」
「全くだぜ!」
「酷いなぁ!」
そしてこの日から零射は霊夢と博麗神社に住むことになった。これが本当の一番最初……【幻天夢】の始まりであり……全ての始まりでもある。博麗神社で物語は始まり博麗神社で終わるこの小説は【幻想夢】に繋がるまで果たしてどのような試練と…未来が待ち受けているのだろうか?幻想の過去を刻む序章の扉は今開かれた…
俺の決心は決まった……俺はこの幻想郷でもう一度……人生の全てを…
一一一一一変えるんだ
A new life→
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