博麗幻天夢
□A new life
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「………」
その抱いた欲求の1つ……それは異性に触れてみたい。野心などはなく只少しだけ触れてみたい……その欲求に抑えられず零射はそーっと霊夢の腋に手を近付ける。そして伸ばした人差し指で彼女の両腋をスゥーと一線なぞるように添わせると…
「くひゃぁ!!?」
「!!?」
エロいような声を出して霊夢は少し顔を赤くしながら飛び起きると両腋を両手で隠すように触れながら今の出来事に少々混乱気味の様子だった。勿論霊夢は爆睡していたのだと思いそれを機会に零射はちょっと触れてみようと考えてしまった。だがまさかこれぐらいで目が覚めるなんて思ってすらいなかった為自分もビクッと体を揺らし後ろに下がり距離を取った。
「な、何よ!!?」
「あぁいや!……その…」
どう見てもマズい展開に零射の頬からは嫌な汗が所々から一筋垂れていく。触れた理由がつい触りたかったとは絶対に言える筈もなく零射は返答に困っていた。
「びっくりしたじゃない!」
「寝てたんじゃなかったの?」
「寝てたけど眠気を通り越してゾクッてしたから」
「?」
「腋……弱いのよ」
恥ずかしそうに答えた霊夢の表情に零射の平常心がまた揺される。今まで抱くことのなかった感情に戸惑いを感じていた…
「弱い?」
「弱いっていうか……くすぐったいっていうか…」
体をもじもじさせるその姿は自分の世界でいう『萌え』であることを零射はこの時まだ知らなかったがおそらくそう呼ぶのだろう。その意味を本人がちゃんと理解し知る日が来るか否かはまた別として…
「ご、こめんね!そんなこと知らないで俺は……本当にごめん!」
「別に良いわよ……それでどうしたの?」
差ほど気にしていないのかまだ寝ぼけてるのかは知らないが霊夢は意外にあっさりと許した様子で自分が起こされた理由を聞く。
「お風呂入った方が良いよって…」
「あぁそうね……じゃあ入ってくるわね」
そう言うと霊夢は襖を開け居間を後にする……1人になりシーンとした居間で零射は自分の変化に驚きを隠せないでいた。
「…これが人間として当たり前の感情…なのかな?」
零射はこの世界に来て本当に…いや霊夢に出会ってから大分変わったと感じていた。そして少しずつだが本来人間が誰しも必ず備わっている感情についても……零射は
徐々に理解とその意味を知りつつあった。
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