博麗幻天夢
□Ability
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文の重いと言う言葉に2人は衝撃が走る。いくら文が女性とはいえ種族は鴉天狗……つまり人間の数倍以上は力があっても当然おかしくはない……零射は自分にとっては全く重さを感じないことに疑問を抱いた。
「もしかしたら零射専用の武器なのかもしれないわね」
「そんなのって有りですかぁ!?」
「アハハ…なんかごめんね」
「いえ。私こそいきなり押し寄せて色々と要望を聞いてもらえてありがとうございました!」
何枚撮られたのかは知らないが満足した様子で文はカメラを首に掛ける。それを見た零射はもう鎌も必要ないと悟り鎌を消すと疲れたのかその場に座り込んだ。
「役に立てて良かったよ……でも新聞にするのは構わないけどあまり大袈裟には書かないでね」
「分かりました!程々に…そして的確に伝わるように心掛けます。では私はこれにて失礼させてもらいます」
そう言うと自分が来た道である襖を開いて縁側に出ると文は履き物を履いて魔理沙のように空を飛び去って行った。だが彼女の場合魔理沙とは違い箒に乗っての移動ではなく一番考えやすい例えで言うとすれば浮いている状態に近かった。つまり文は何も持たずに飛んで行ったことになる。
「と、飛んだ……普通に」
「文は鴉天狗だからねぇ」
「そういえばさっき鴉天狗って言ったね。アレが俺達の世界では非常識の存在か……確かに常識には程遠いけど見た目が人間そっくりって反則だよね」
「でも妖怪よ」
「じゃあ霊夢は?……もしかして」
「私は純粋な人間よ」
「あ、良かった…」
「他に純粋な人間なのは魔理沙と紅魔館に居る咲夜と人里に居る連中ぐらいかしら……あと1人早苗って巫女も人間だけどアイツはまた違うわね種族が」
「じゃあその人達以外は…」
「見た目は人でもみんな妖怪よ」
「…なんか少し怖くなってきたよ」
「確かに人を襲って食べる妖怪も居るしね……零射も気を付けなさいね」
「最初に遭遇したあの妖怪がいい例だね。笑えないけど…」
「まぁ武器も持ってるし普通の妖怪が相手なら今の零射でも倒せる筈よ」
「そう…なの?」
零射は内心あんな鎌を使いこなせるなんて不可能だと思っていた。まず凶器を持つのすら自身の中では拒んでいる状態で更にはこれから先妖怪と戦うとなると……普通の人間なら恐怖を抱くのは当然だった。
「大丈夫よ…多分」
「最後の言葉が非常に引っかかるよ霊夢」
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