野良猫幻想夢(低)

□紅き禁忌の果実
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「今度は私が皆さんを護る番です」

セフィリアはクライストを弾幕に向けると
紅黒い刀身は黄色いオーラを纏う。そして
ゆっくりと横に一閃の斬り込みを入れた。

「『阿空斬』」

繰り出された一撃はナンバーズを含めて
幽香やフランにも衝撃を与えた。

「…なんで?」

フランの放った弾幕は全て消えていた。
セフィリアが起こしたのであろう空中に
空いた空間の裂け目によって…

「なんだあの割れ目みたいなのは…それに空に罅が!?」

「弾幕も吸い込まれるかのようにあの中に吸収されましたね」

「セフィリア…これはいったい!?」

「空間を空けてその中に弾幕を閉じ込めたんですよ」

「空間ですって!?」

「私は『空間を斬り裂く程度の能力』ですからね」

「うふふ…おねぇさんおもしろいことができるんだね」

「………」

「じゃあこれは?『レーヴァテイン』」

翳した両手から出現した紅い大剣が全員を
薙ぎ払おうと大きく振り被って放たれる。

「なんだよありゃ!?」

「またあの剣だ!!」

「これはどうすれば……さっきのように吸い込むには大き過ぎます!」

「安心してください皆さん」

「「「!?」」」

セフィリアは今度は空ではなく紅い大剣に
クライストを向けて刀身を振り下ろした。

「『次壊斬』」

「!?」

クライストが振り下ろされた瞬間距離が
あったのにも関わらずレーヴァテインを
空間ごと引き裂きバラバラにしたのだ…
これには流石のフランも驚きを隠せない。

「セフィ姐も怖いでやんす!」

「味方で良かったですね…」

「怒らせたら最期だな…」

「すごいね!レーヴァテインをけしちゃうなんて!」

「フランさん…もう止めにしましょう……これ以上戦ってもお互い得るものなんてないんです」

説得を心掛けるセフィリアだったがそれも
フランには届かなかった。それだけか隙を
作ってしまうことにもなりフランは一瞬で
セフィリアの目の前に現れて構えていた。

「!(しまった!こんなに近付かれては桜舞が!)」

「ゆだんしたね。すきがあったよ?」

「セフィ姐!!」

体を貫こうと放った手刀の先で金属音が
鳴った。クライストではない……形状は
銃だった。2人の間に割り込みフランの
一撃を止めた人間は勿論トレインだった。

「!」

「待たせたな…フラン!」
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