野良猫幻想夢(低)
□Quod Erat Demonstrandum
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更地に立ちハーディスを構えるトレイン。
紅い波動を放つフランに対し青い電気が
壁となって波動を弾く。左右で紅と青の
オーラがぶつかり合い2人は後ずさる。
「フラン!お前が今感じているのは本当のお前が抵抗している証なんだ!」
「ていこう?そんなの…ちがうよ」
「違うものか!お前は俺達の居場所に……自分で選んだ居場所に戻ろうと今も必死に戦ってるんだ!」
「っ…やっぱりあなただけちがう……いちいち…あたまにひびくこえを…だす…!」
「フラン!」
「うる…さい!」
右手の指先から紅いレーザーを繰り出した
フランに対しトレインは空を飛んで距離を
取ることでレーザーを回避する。透かさず
フランは両手を前に突き出して追撃する。
「『グランベリートラップ』」
「『電磁刃』(レール・エッジナイフ)」
空でぶつかり合う紅い弾幕と青いナイフは
互いに相殺する中フランが弾幕とナイフを
突っ切りトレインへと迫っていく。
「!」
両手で掴んでこようとするフランに一旦
ハーディスをホルスターに仕舞い両手で
互いの手を掴み取っ組み合いになる2人。
再び紅と青のオーラが入り混じり紫色の
空間が発生する中フランは力を込める。
「そのこえが…わたしをくるしめる!」
「苦しんでるのはフランが本能と今も戦っているからだ!声を頼りにもがいて自分を無くさないでいる心を思い出してくれ!」
「おもいだすものはなにも…ない!」
「嘘だ!」
「ちがう!」
「優しいフランに…戻ってくれ!」
「だまれぇ!!」
「くっ!」
迸る電気に間一髪気付いて離れたフランを
逃がすまいと再び抜いたハーディスを向け
銃口から青い鞭が飛び出してフランの体を
掴んだ。電磁銃でも電磁刀でもない。体は
紅いオーラで覆われ感電はしていない…が
拘束されているので身動きが取れない。
「くっ!」
「『電磁鞭』(レール・クァンサ)…俺はいくらでもお前に声を訊かせる!だからいっぱい抵抗しろフラン!」
「わたしは…わたしだぁ!」
刹那電気の鞭は爆発してフランを放すと
紅い球体が出現してトレインへ殺到する。
「『フォービドゥンフルーツ』」
「『静電気彈』(バチルダン)」
紅と青の球体がぶつかり合い空中で花火の
光の如く爆散していくとフランは次の手を
繰り出す中トレインは既に仕掛けていた。