野良猫幻想夢(低)
□Quod Erat Demonstrandum
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「『カタディオプトリック』」
フランが新たに繰り出した弾幕は真っ直ぐ
トレインに向かっていく。だが突然軌道を
地面に変えて『へ』の字のように屈曲して
弾幕はトレインの真下に追突していく。
「えっ!?」
「言っとくが俺が重力を操ったワケじゃねぇぜフラン。流石にこの規模じゃ不可能だしな……その代わり地面を見てみな」
土煙が霧散しフランが目にしたものは青い
柱のようなものが地面に突き刺さっていた
光景だった。それが何故弾幕の軌道を突然
屈曲させたのかフランは分からないでいた
「『避雷針』(ジャック・ライジング)は柱となる針周辺の磁力を高めて重力を重くすることで弾幕とかの飛び道具類いの軌道を全てアレに集中させる技だ」
「っ!」
再びトレインに放つ弾幕も途中で地面へと
落ちていき避雷針の近くに穴を空けていく
「無駄だぜ。レーザーだって屈曲させる程の重力を持ってんだ。生体以外の通過する物を全て吸引する避雷針をそう簡単に…」
これで少しは優位に戦えると思った矢先に
避雷針は突然爆発してしまう。電磁鞭同様
フランは能力を使い避雷針も破壊したのだ
「そうかんたんに…なに?」
「そうだった……お前にはそれがあるんだったな…」
「アハハッ!こんどはわたしのばんだよ!『禁じられた遊び』」
発動したその技はフランの周りを弾幕が
舞いトレインの周囲にも展開していく…
「禁じられた遊びか……今回はいろんな技を見せてくれるなフラン…」
「はぁ!」
周囲の弾幕が徐々に軌道をズラし時間差で
トレインに迫る中回避を中心に偶に銃身で
弾幕を防ぐブロッキングを続けるトレイン
「やっぱり数が多いか…!」
「もうこわれちゃう?」
「こわれるにはまだ…早いぜ」
「!」
するとトレインの右手の甲に電気が集中し
迸る電気のシールドが迫る弾幕を防いだ。
掻き消された弾幕と右手の甲から展開する
電気のシールドを見てフランは驚いていた
「でんきの…たて?」
「甲に集中させた電気を展開させてシールドを発生させる。こいつの強度には自信があってな。名は『電甲』(イルシド)だ」
「おにいちゃんこそいろんなわざつかうね……ちょっとこまったな」
「お前を助ける為に俺は能力の全てを懸けて戦うぜ…」
「…だったらこれはどう?」
するとフランの体に紅いオーラが集まり
その姿は次第に4人へとブレていく。
「『フォーオブアカインド』」