野良猫幻想夢(低)

□終わりの始まり
3ページ/41ページ

虚空邸。現実世界と幻想郷の境に存在する
虚空のアジトであり見栄えは純白の洋館。
辺りは生い茂った森、そして虚空邸を囲む
砂漠があるのが特徴的である。森を進んだ
先に砂漠が広がっているなど不自然過ぎる
風景だが一番異質の要素は青い空に広がる
太陽だった。何故空間の境に在る筈のない
太陽が存在しているのか…謎である。

虚空邸の内部は地下も含めた7階建てに
なっている。クリードの私室白蛇の間は
4階、ドクターの研究室は1階、いつも
メンバーが集まる広場は2階と分かれて
いてメンバー各々の部屋も各階にある。
そして場所は地下の牢屋。扉が開く音と
共に階段を下りてくる足音が耳に入った
レムイは視線を階段に向ける……訪れた
エキドナが鍵を差し込み扉を開くと早い
釈放にレムイは笑みを浮かべて言った。

「もう釈放?」

「お前じゃない」

「なんだ…」

「セイラ…来い」

「!…あの子を出すの?」

エキドナが呼ぶと今まで喋るどころか全く
動く気配のなかったオレンジ色の髪をした
ショートヘアの少女が奥から出てくる。

「出ても良いの?」

「お前の『能力』を役立てる時がきた」

「………」

セイラが牢屋から出ると再び開いていた
扉を閉めエキドナはセイラを連れ牢屋を
後にする。セイラの能力を知るレムイは
その意味を察して1人笑みを浮かべる。

「セイラを釈放とはどうやらクリードは動いたようだね」

「どういうことです?」

「俺に聞かれても詳しくは答えられないよアイリス」

レムイに話し掛けたのはブラウンの長髪で
アイリスと呼ばれた少女。ゼノンを含めて
3人が投獄された理由は不明である。

「でもどうしてレムイさんまでこんな所に入れられてるんです?」

「その質問は今ので49回目だよ」

「あれ?そうでしたか?」

「…俺が勝手に行動したから上の連中がご立腹でね。暫く俺は牢屋から出してもらえないらしい。今ので49目の説明ね」

「あ〜そうでしたねぇ!」

「50回目の説明がないことを祈るよ」

アイリスはチルノに負けず劣らずのバカで
あり人の話しを全く覚えようとはしない。
しないのか出来ないのか微妙なところだが

「さて…今回のお祭りに参加出来ないのは残念だけどまぁ…頃合いになったら勝手に出て行けば良いか」

怪しい笑みを浮かべながらレムイは壁に
腰掛けて腕を組みながら眠りに就く…
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ