野良猫幻想夢(低)
□Connection
3ページ/39ページ
「取り付けられたバッテリーをエネルギーにして先端からビームサーベルを形成してるんだよ。使い易くて携帯も出来ておまけによく斬れる!一本如何?」
「商売するな」
「お気に召さなかったかぁ…」
「あぁ。生憎な…」
「じゃあ私も愛用してるこのリュックの別バリエーションはどう?」
「別バリエーション?」
「私の今背負ってるリュックは修理や尋問に特化したタイプなんだけどさ、戦闘に特化したタイプもあるんだよ」
「修理は分かるが尋問って…」
「それがこれなんだけどさ。なんとリュックからバズーカを持った腕が出てくるんだよ!両手が塞がってても隠し腕として機能するから意表を突くのにも使えるの!その名も『私のリュックは大砲(バズーカ)』」
「もう良いよ…」
これ以上は貴重な時間を無駄にすると察し
トレインは会話を強制的に終わらすことに
「お前の発明品が凄いのは分かったからまず門を直してくれ」
「了解!トレインが帰ってくるまでには終わらせとくからね!」
「あぁ。頼んだぜにとり」
そう言ってトレインはにとりに背を向けて
香霖堂の方角へ飛んでいく。暫くの飛行で
魔法の森の入り口に着くとそこに聳え立つ
香霖堂に久し振りに訪れるトレイン。
「いらっしゃ…あっ!トレインじゃないか久し振りだね」
「あぁ。霖之助も元気そうだな」
「まぁストレスのない生活を送ってるからね。それより新聞見たよ……フランが連れ去られたんだって?」
「…フランを連れ戻す為に俺は戦いの準備をしに来たんだ。弾丸貰ってくぜ?」
「あぁ。そこに仕入れたやつを加えておいたから好きなやつを持ってってくれ」
「サンキュー。あと火薬も貰ってくぜ?前の戦いで炸裂弾のストックも無くなっちまったから作っとかねぇと」
「火薬もいつもの場所にあるよ」
「ありがとよ」
戦いに必要な物を揃えるべくトレインは
香霖堂の中を物色する。無茶だとしても
一度決めたことには強い信念を持ち必ず
成し遂げようとするトレイン。霖之助は
その背中を見て懐かしい面影を感じる。
「…0に等しい救出作戦。無茶と知りつつそれでも向かおうとする勇気、無謀という絶望を撥ね除け希望の光を灯してくれそうな君のその背中はアストンを思い出す…」
「アストン?(そういえば昔にレミリアが呟いてた名前だったな)」
「アストン・イザベルフ。2年半前に森羅と共に数々の異変を解決した男の名だ」