野良猫幻想夢(低)
□Connection
4ページ/39ページ
「アストン…イザベルフ…」
「霊夢は君を森羅と重なると言っていたが僕はアストンに重なるよ君が」
「俺はトレインだ。2人とは違うぜ」
「そうだね。君は君だ…」
「それで…そのアストンって奴はどんな奴だったんだ?」
「一言で言えば何方付かずだったね彼は。いつも強情な連れの意見に流されていたよ……だけど一度自分で決めた意志は決して覆すことはなかった。今の君のようにね」
「優柔不断だが決める時は決めてたのか」
「そんな彼にレミリアは好意を向けていたが恋愛が苦手な彼は告白される度にそれを断っていた。最終的に2人が結ばれることはなかったけどね」
「咲夜がブチ切れそうな話しだな」
「最初は彼女も彼に殺意を向けていたが異変を通じて段々彼を認めるようになった。そしていろんな異変を森羅と共に解決してきた。彼も森羅と同じ幻想郷の救世主さ」
「…死んじまったのか?」
「彼は今月に居るよ」
「月って師匠さん達の故郷か?」
「あぁ。森羅が亡くなり彼もまた自分の無力を痛感していたが彼はすぐに立ち直って次の目標を決めた。それが月に行って修行することだった」
「強くなる為…か」
「どんな敵が現れても今度こそ護れるだけの力を得たいと言っていたよ」
「どんな敵も…ね。丁度今がその時なんだけどな」
「あれ以降彼から音沙汰はないけど彼はいつかまた幻想郷に戻ってくるよ。僕はそう信じてる…」
「そうか…」
戦いに必要な道具を手に取って買い出しを
終えたトレインが代金を支払おうとするが
渡されたお金を霖之助は受け取らなかった
「霖之助?」
「その代金は君が帰ってから受け取ることにするよ」
「!」
「だから…必ず帰ってきてくれ君は」
「霖之助…」
「良いね?窃盗は許さないよ?」
「あぁ…必ず生きて帰って金払うよ。窃盗なんてどっかの巫女や魔法使いと一緒にされたくねぇからな」
「そうだね。次の来店を楽しみに…今度は彼女さんと一緒を希望するよ」
必ず代金を支払う為にも生きて帰るように
言われる霖之助にトレインは力強く頷く…
その後見送りに店の外に出る霖之助。
「このまま紅魔館に戻るのかい?」
「いや。戦いの本格的な準備は明日やろうと思ってる。今日は少しでも多くの人達と話しておきたいんだ…」
「…そうか。この半年間の『つながり』は君の思い出だからね。いっぱい出会って話しをして力を貰うと良い」