邪馬台幻心夢(前)
□今どきギャル娘と清く正しい射命丸
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「そんな素早いだけが取り柄の天狗より私の方が確かな情報を提供出来るわよ!だから是非花果子念報で独占スクープを!」
「…どっちを選んでもネタにされるだけの運命か……悪いが断る」
「「何故!?」」
「俺は真剣に陰陽連を追っている。お前らの自分だけのことしか考えていない身勝手なお遊びに付き合うつもりはねぇ」
「お遊び…ね」
「あやや手厳しい指摘を受けましたね。しかしこれでも私は新聞に対する熱意は本気なんですけどね」
自身が何よりも没頭する新聞のことをお遊びと悪態を吐かれて2人も雰囲気が変わる。紫苑自身も本気で追っているのをネタにされて頭にきている。バチバチと火花が散り、一触即発になり兼ねない今の状況にレンザとフリージアは間に割り込んで仲立ちに入った。
「ま、待て待て!落ち着けよ紫苑!」
「揉め事は駄目だよ!」
「チッ…」
「…貴方がその組織を何故追っているかは知りませんが…私も少し度が過ぎてましたね」
「まぁ…悪かったわねネタにしようとして」
「…陰陽連は俺の親父を殺した」
「「!」」
「子が親の仇を取るのに理由は要らない……記事にしたければなんとでも書け」
「「………」」
「紫苑君…」
「らしくねぇこと言いやがって…」
「あやや…改めて失言でしたね……重ねてお詫び申し上げます」
「…ごめん」
「フンッ…」
紫苑が陰陽連を追う明確な理由が分かり、不謹慎な態度を取っていたことをまずは謝罪する2人。そしてお詫びのつもりかはたては自身のカメラを片手に紫苑へ問い掛ける。
「その陰陽連って連中の何か特徴というかキーワードとかって分からない?」
「…実際に姿は見ていない。だが人里を襲わせた氣方幻人の創術者は確かにあの時近くに居た筈だ……だがそれを聞いてなんになる?」
「私の能力は『念写をする程度の能力』なの。だからこのカメラにキーワードを入れることで、それに関連した写真を映像化出来るってワケ」
「なんだと…?」
「凄っげぇ!」
「じゃあ氣方幻人ってキーワードを入れれば!」
「もしかしたら関連から創術者の顔を念写出来るかもしれないわ」
「…俺はお前達の新聞をお遊びだと軽視した。そんな奴の為に何故わざわざ…」
「…私も知らなかったのよ。アンタの事情とか…」
「!」
「だからこれでノーカン……文句ない?」
「…好きにしろ」