邪馬台幻心夢(前)
□水龍玉女
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「…ご明察だ」
「アンタは2年前に大きな異変を起こしたあの野郎の配下だった筈だ……そんなアンタが今は人助けって…どんな心境の変化なんだよ」
「俺達はあの異変後何も考えずにこの世界を放浪した……目的がないだけで俺達も少し前までは答のない旅をしてたんだよ。そこでいろんなものを見て…今に至る。もう一度…役に立ちたくてな」
「もう幻想郷を襲ったりしないのか?」
「俺は戦うのが嫌いなんでな。平和に過ごせればそれで良い……仲間も出来た。この世界を襲う理由なんざねぇさ」
「…やっぱ優しいなアンタ」
「なんだよ畏まって」
「アンタともう1人…あの氷の女の子は確か持つ力の強大さを危険視されて前任の閻魔に地獄に幽閉されてたんだろ?でもアンタ自身は全然無害ってことが今日話して分かったぜ」
「…だが俺が嘗て幻想郷を襲った過去は変わらねぇ」
「だから今度はこの世界の為に出来ることをしてるんだろ?今の閻魔はアンタ達が何もしないことを分かってくれてるから指名手配を破棄したんだ」
「…最近の子供は怖いもんだ。そういう大人の事情に詳し過ぎるのも罪だぜ?」
「このレンザ様はヴェ…サリィヴ!アンタの仲間だからな!これからも宜しく頼むぜ!」
「…仲間…か。最高の言葉だよ」
「レンザ……お前さっきからよくもタメ口で偉そうに言えるな」
「良いんだ。その方がしっくりくる」
「仲間だからな!」
「…そんなもんなのか」
「男同士の友情だね!」
「さて…お前達も旅を続けることが決まった以上次に立てるのが目標だ。次は何を目的に世界を歩く?」
「陰陽連を追う…と言いたいがきっと奴が…蒼xがまた俺を襲いに来る。だから俺の方から陰陽連を探す手間もなくなったワケだ」
「つまり…?」
「…奴が再び俺の元に現れるまで…この世界を巡るのも有りかもな」
「それなら俺達が世話になってるギルドに足を運ぶと良いぜ?ギルドは情報の宝庫だ。きっと目ぼしいものが見つかると思うぜ」
「ギルドは此処から少し距離があるけど北西に行った場所にあるんだ!私達も次の仕事を受けに戻る予定だったし一緒にどうだ?」
「そりゃ心強いぜ!」
「宜しくお願いします!」
「…フンッ」
「よっしゃ!じゃあ行こうサリィヴ!」
「短い間だが少しの間宜しく頼むぜ」
心武衆の1人、蒼xとの戦いは大敗した。だがそこで自分を支えてくれる仲間の想いに触れることが出来た紫苑は今何を思うだろうか?そして次の目的地が決まり一行はサリィヴとメリルを加えてギルドを目指す。