邪馬台幻心夢(後)

□次の適格者
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紅魔館の前で美鈴がラスティを視界に捉えるや否や直ぐに部屋の中に連行され、彼はレミリアの私室に足を運ぶことになる。互いの顔を見合って約5年振りの再会にラスティは言葉を詰まらせるがレミリアはそっと微笑みながら一言告げた。

「…お帰りなさい…アストン」

「…あぁ。ただいま…レミリア」

レミリアの言葉で難しく考え過ぎていた自分を悔いたラスティは直ぐに緊張も解けた。何処も変わっていない彼女達に安堵したのではなく昔と同じように受け入れてくれたことが嬉しかったのかもしれない。

「5年振り…かしら?」

「あぁ…それくらいになる」

「じゃあもう成人を迎えたの?」

「今は22歳だ」

「確かに雰囲気は変わったわね」

「君達はあまり変わらないな。紅魔館の住人の服装が統一されてより一体感が出てきたようには思うが」

「そうでしょ?貴方も欲しいなら作るけど?」

「…すまないレミリア。俺はまだ月で自分のやらなければならないことがある。この服も…今は月のLUNAという組織に属している証だ。今の俺はラスティクス・デュレイノだからな……今回は休暇を貰って此処に顔を見せに来ただけで俺はまだ紅魔館には帰れない」

「…そうだろうと思ったわ。貴方って昔から生真面目でちゃんとケジメを着けたがる人だったし」

「…そうだったな」

「でも会いに来てくれただけでも嬉しいわ。それと…あの時は紹介出来なかった私の妹も…紹介するわ」

改めて住人達が一堂に会してラスティの元に訪れるとレミリアはフランを紹介する。ラスティのことは姉の口から一度も聞いたことはない為彼が昔は此処で住んでいたことにフランは少し驚いていた。

「ふぅん。ラスティって昔此処に住んでたんだ」

「まぁ色々あってな」

「…でも本当にお姉様の彼氏なの?なんかヨソヨソしいというか遠慮してるというか…」

「それが彼の照れ隠しなのよ」

「なんでそうなる…」

「今更ノコノコ帰ってきた男にお嬢様は渡せないわねアストン」

「話しが脱線しているぞ。ところで…貴方も今は此処で暮らしているんですか?」

「あぁ。俺はスヴェン=ボルフィードってもんだ」

「彼も零射と同じ世界の住人の人よ」

「そうですか。宜しくお願いしますスヴェンさん」

「敬語はよしてくれ。スヴェンで良い」

「…分かった。では今紅魔館で暮らしている外来人はスヴェンだけになるのか?」

「「「………」」」

「…どうした?」
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