邪馬台幻心夢(後)

□紫苑
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「分かったわよ…奴らが向かった場所」

「なんだって?どうしてそれだけで分かるんだ?」

「私を誰だと思ってるの?地獄の女神をあまりナメないでもらいたいのだけど…」

「それだけじゃ納得が出来ない…」

「もう頑固ね。つまり異空間の捻れ跡を追跡して到達地点……即ち開いた場所を見つけたってことよ」

「メチャクチャだな…おい…」

「だって私神様よ?これくらい朝飯前なんだけど」

「全く…だが助かった。これで紫苑を助けに行ける」

胸元にブローチを付けて再び元の姿に戻ったラスティがそう言うと単身乗り込もうとしている彼にヘカーティアは返答を返した。

「もしかして1人で行くつもり?」

「あまり多勢では敵に気付かれてしまう。目的はあくまで紫苑の奪還だからな…」

「なら私も…」

「君のような強大な力を持つ女神が居たらそのオーラで直ぐに見つかってしまう」

「ぐっ…不覚だわ…」

「だが俺1人でも迅速に紫苑を助けることは難しい。そこで美鈴の力を借りようと思う」

「美鈴?」

「紅魔館という吸血鬼が主の館で門番をしている妖怪だが彼女は気を使える。練でオーラを判別出来る彼女が居れば紫苑の居場所を比較的早く見つけることが出来る」

「じゃあ私は留守番なのね…」

「君には道を作ってもらいたい。世界を渡り歩く君にならそれくらい容易いだろう?ヘカーティアにしか出来ない仕事だ」

「そ、そぅ?じゃあ私頑張っちゃおうかしら♪」

「良し、そうと決まれば時間が惜しい……直ぐに紅魔館へ向かうぞ」

紫苑奪還作戦を決めたラスティは美鈴の協力を得る為に紅魔館へと向かった。そこでレミリアに全ての事情を話すが内容より隣に居るヘカーティアの存在の方が気になってしまったようだ。

「それは分かった……けど隣の女は…何?」

「な、何って…」

「ヘカーティア・ラピスラズリですけど」

「なんでラスティと一緒に居るのよ?」

「仲が良いからかしら♪」

「ちょっと!?ラスティは私の彼氏なんだから変な目で見ないでよ!」

「あら…そうなのラスティ?」

「いや…それは…」

「曖昧なところからして貴方の自称って感じかしら」

「自称じゃない!私達は将来を誓い合った仲の…」

「私は彼と一緒に夜を過ごした仲だけど♪」

「ちょっ!?」

「ラスティィィ…」

「違う!アレは彼女が勝手に…!」

「うー!!私という者が居ながら他の女に手を出してるんじゃないわよぉぉぉぉぉぉ!!」

「ぐわぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!?」
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