邪馬台幻心夢(後)

□紫苑
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女同士の修羅場に居合わせただけでなくとばっちりまで受けてしまったラスティはレミリアにシバかれる結果となる。その後なんとか疑いを晴らした彼は既にボロボロだったが美鈴に事情を告げると彼女は二つ返事で申し出を受け入れてくれる。

「私で宜しければ力になりますよ!」

「あぁ…宜しく頼む」

「美鈴にまで手を出したら私…本気で怒るからね?」

「だから俺は…!」

「ラスティも大変ね♪」

「そもそも君が状況を引っ掻き回すからこんなややこしいことになったワケでだな…!」

「ラスティさんのそういうところは昔から変わりませんよね…」

「美鈴も間に受けるな!」

彼の女性に対しての星回りは相変わらずのようでありこれからも女難に苦しまされることになるだろう…

紫苑奪還作戦は夜中に決行されることになる。陰陽連の人間達が最も油断する時間を狙っての潜入を企てた一行はあと数時間の有余を紅魔館で過ごしていると、ラスティの前にスヴェンが現れる。

「君は確か…スヴェン」

「ラスティ…陰陽連のアジトに行くんだってな」

「あぁ…」

「なら…無理を承知で頼みがある。その奪還作戦に…俺も連れて行ってほしい!」

「!」

「陰陽連に捕まった女の子を俺も助け出したいんだ!この機会を逃したら次はいつになるか…だから!」

「…気持ちは分かるが……俺達の目的は紫苑の奪還であって戦いに行くワケじゃない。スヴェンの助けたい女の子がそこに居る保証もないんだぞ」

「だが…居ても立っても居られないんだよ!あの子はアイツらなんかと一緒に居ちゃ駄目なんだ!」

「スヴェン…」

「頼む…紫苑を助け出して俺が合流出来なければ置いて行ってくれても構わない…」

「………」

「私からもお願いしますラスティさん。スヴェンさんは私が護りますから!」

「美鈴…」

「…スヴェンの覚悟…しっかり受け取ったよ。それだけの強い信念をぶつけられれば俺も断れない」

「すまん…恩に着る!」

「だが時間との戦いになることは忘れないでくれ……状況によっては本気で置いて行くことも覚えておいてほしい」

「あぁ。覚悟の上さ(やっと…お前を助け出せる機会が回ってきた。今度こそ絶対にケミカルから…陰陽連から救って自由にしてやるからな……だからあと少しの間だけ…辛抱しててくれ…イヴ!)」

作戦にスヴェンが加わりそれぞれの信念を抱いて時間は過ぎる。そして作戦決行の夜が訪れた…
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