邪馬台幻心夢〜An additional story〜
□空白の4年
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純狐とヘカーティアが月に進撃を開始して半年の月日が流れた。お互い硬直状態が続く一方で根本的な解決が見出せず論議を重ねる上層部の皇族達。そして1つの答を見出したのが…幻想郷への遷都だった。
「そんな…!」
「月を取り戻せないなら幻想郷へ都を移す……その為の浄化作戦の決行準備って…!」
綿月姉妹の元へ届いた通達は衝撃的な内容だった……直ぐに2人は幻想郷への遷都計画を白紙にしてもらうべく宮殿を訪れて上層部に掛け合ったがまるで相手にもされずに追い返されてしまう。自分達の権力では何も出来ない……そんな彼女達に追い打ちを掛けるように声を掛けたのは殊臬だった。
「幻想郷への遷都計画を止めるのなんざもう無駄だぜ…あの糞爺共…月が自分達で取り返せないと知った途端に矛先変えやがった。もう何を言っても糞爺共の考えは変わらねぇさ…」
「なら貴方からも…!」
「言ったさ!この半年間毎日のように朝昼晩最低3回はな!逃げ隠れするんじゃなく自分達の居場所を取り返す為に剣を持って戦えとな!だが奴らの目は腐っていた!俺が…俺がもっと早く月の情勢を変えていれば…俺が天皇になっていればこんなことには…!!」
「それは…結果論よ」
「昔からそういうところ…変わらないね殊臬」
「依姫…豊姫……許せとは言わん…だが…こんな時に何も出来ない俺を…責め立てろ…!」
「何言ってるのよ…」
「私達…まだ諦めてないわよ」
「!」
「最後の…賭けになるけど」
「でも…諦めたら駄目でしょ?」
「お前達…」
「貴方にも…協力してもらうわよ皇族の権力を使って私達の後ろ盾をね」
「幻想郷には私達の恩師も居る。あの人に迷惑を掛けない為にも私達が今出来ることを…!」
「…分かった。今回だけは俺達七天王が全面的にお前達に協力を約束する。だがどうすれば良い?」
「上層部の最長老達にもう一度掛け合って。そして…少しでも時間を稼いでほしい」
「穢れをどうにか出来る装置がもう直ぐ完成するの。それが完成するまでの間…あと数日で良いから…!」
「…心得た。数日と言わずあとひと月は時間を稼いでやる!その代わり…宛てにするぞ綿月姉妹!!」
「勿論…」
「やるからには本気よ…!」
こうして月の都に潜伏する者達への反撃の狼煙は上がった。幻想郷に住まう者達の為に…月を取り戻す為に彼女達は次の一手に出た。
「俺達も行くぞ。このまま黙って待ってることは出来ないからな…」
「当然だ。あの爺共にガツンと言ってやる」
「全く…また忙しくなりそうだな!」
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