邪馬台幻心夢〜An additional story〜

□STRAY CAT
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「俺はこの幻想郷が…お前らが…みんな…みんな大好きだ!絶対に忘れねぇ……大切なことは絶対に忘れない頭に誓って俺は…この記憶を一生刻むぜ!」

「トレイン!絶対また逢おうね!絶対…絶対…絶対!私何年経ってもずっとトレインが帰ってくるのを待ってるから!だから…さよならは言わないんだからぁ!!」

「ありがとうフラン……いつの日かまた…再会して今度は結婚しよう!」

「うん!…うん…!!」

「…へへっ……その日まで一一」





第百X三季8月31日。幻想郷で1つの戦いを終えた者達は自分達の世界へと帰還した。そこで嘗ては己の命を狙っていたナンバーズ達とも別れ、後日行われたNo.XTの追悼を最後にトレインは広い世界へと旅立つのだった。便宜上の処置で既に死んだ人間として公表された自分は黒猫としての人生を終えて野良猫となり蘇った。そして世界の各地を見て回って自分は何が出来るかを探す放浪の旅へ出た。

3ヶ月の時間世界各地を回りトレインが直面したのは犯罪だらけの世の中だった。無法地帯で野放しになった犯罪者達を前にトレインは嘗ての自分を救ってくれた親友が生業にしていた仕事を思い出し、この世界から少しでも犯罪を無くす為に『掃除屋』になることを決意するのだった。

掃除屋(スイーパー)とは抹殺者(イレイザー)とは違い賞金首を捕らえる者達のことを指す。賞金首はその危険度からSS〜Cまでのランクに分別され危険度に応じてその賞金額も上がっていく。掃除屋になるにはライセンスが必要だが技術試験でトレインが出遅れるワケもなく瞬く間に発行を終えて掃除屋稼業を開始する。そしてそれから2ヶ月後の話しだった…






「………」

荒れた荒野の道をバイクに跨りひたすら前進する男はトレインだった。遠くを只見つめて宛てもなく進む男は今日も自由気ままに世界を巡っていた。

ゴーストタウン。そう名前が付いた町のビジネスホテルに泊まり得意の武器発明に勤しむ男の名はスヴェン=ボルフィードだった。年齢は28歳で職業は掃除屋稼業を生業にして世に蔓延る塵共を片付けることで生計を立てている。彼は元国際捜査局 (IBI)の人間でその頃得た知識を生かした武器の発明が今や趣味となっていた。そんな彼がこの街にやってきたのは自分が狙うターゲットである悪党の一味が此処に潜伏しているという情報を得て2日前にやってきたのだ。だが武器の発明に夢中で空腹なのを忘れていたスヴェンは腹の虫が鳴って漸く我に戻り、食材の調達の為に重い腰を上げるのだった。
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