野良猫幻想夢(上)

□能力の手立て
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稽古が開始されると同時に咲夜は
トレインに向け無数のナイフを放つ。

「この程度なら!」

「まだですよ」

続いて更に無数のナイフを咲夜は飛ばし
最初のナイフと加算され殺到していく。

「本当に無理なやつだけ」

すると右手に握る装飾銃を振り上げると
トレインはそのナイフ目掛けて振るった。

「銃で防ぐ!」

一一一ギンッ

「おぉ!」

装飾銃の銃身で危ないナイフだけを
叩き落とすトレイン。フランは
その様子を見て拍手していた。

「やりますね」

「もっと来い!」

「ならこれならどうですか?」






あれから何時間が経過したのかは
知らないが咲夜が修行に加わり
かなりの時間が経過したのは分かった。
フランは途中飽きてしまったのか
端っこでスヤスヤと寝ていた。

「ハァーハァー」

「そろそろ夕食の時間ですね」

咲夜が懐から取り出した時計を見て
そう答えると肩で息をしていた
トレインは汗を手で拭きながら言った。

「もうそんな時間か!?」

「………」

「ほら起きろフラン」

「ぅーん……。………」

呼びかけるも再び寝てしまうフラン。その
様子を見てトレインは呆れながら言った。

「ダメだこりゃ」

「途中から暇そうにしていましたからね」

「仕方ねーなぁ」

トレインは装飾銃をホルスターに収め
寝ているフランを背負うと扉の方に
歩きながら咲夜に言った。

「行くぞ」

「クスッ」

「……何だよ」

「お似合いですよ」

咲夜は笑いを堪えながらそう言う。

「じゃあお前が背負えよ」

「フラン様が起きたら怒りそうなので遠慮しておきます」

「そうかよ」

そう言うとトレインは扉を開け
一足先に階段を上がっていく。

「不思議な人ですね」

見えなくなったトレインを思って
そう呟いた咲夜も続いて地下室を後にする






歩くこと5分いつもの夕食を食べる
部屋に着くと背負っていたフランを
抱き抱える形にして揺さぶりながら言った

「ほら起きろ!」

だが起きる様子がなかったので
トレインはフランの頬を軽く叩く。

「………」

「爆睡してやがるな」

「キスしたら起きるんじゃない?」

レミリアがニヤけながらそう言うと
トレインは目を細めながら返答した。

「バーカくだらねぇこと言ってんじゃねーよ」

「そう?私は本気よ!きっとフランも喜ぶわよ」

「もうやめてくれ……」

「美鈴も起きなさい」

「………」

咲夜はテーブルで寝ていた美鈴にも
起きるように言うが彼女もフラン同様
全く起きる気配がない……

「ったく睡眠魔共め」

仕方ないのでトレインと咲夜は
少し強めにフランと美鈴の頭を叩く。

「ぅん!?」

「ひゃい!?」

「起きろ」

「夕食よ美鈴」

「もうそんな時間?」

「寝てました」

目を擦りまだ寝ぼけている様子の2人。
レミリアはそんな2人を見てクスリと
笑みを浮かべながら言った。

「さて……漸く夕食になりそうね」
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