野良猫幻想夢(上)

□No.Z・No.]来る!
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トレインが幻想郷に流れ着いて3ヶ月。
雪が降っていたあの日に比べ今は大分
暖かい季節になり幻想郷では5月を迎えた

痘d怪の山

此処は妖怪の山。名の通り妖怪が多く
住み着いている山でその中には後に
出てくる『天狗の里』や『守矢神社』
などがある。尚幻想郷に存在する
『山』の事は全て『妖怪の山』と呼ぶ。
その森林が生い茂った道を歩く2人が
周りを見渡しながら歩いていた。

「「………」」

無言で今の状況も整理出来ないまま宛も
なく真っ直ぐ歩いていた2人だったが
途中その場に立ち止まり隣に居た
長髪の青年にボソッと言った。

「なぁシャオ」

「ハイ?」

「まず言いたい事があるんだが」

「分かりますよ……」

「代表して言っていい?」

「どうぞ」

「何処だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

妖怪の山に馬鹿の叫び声が響く。
叫んだのはミディアムヘアの方の青年。
時の番人(クロノ・ナンバーズ)の
No.Z、ジェノス=ハザードだった。
その叫び声を聞き終わり落ち着いたのを
確認した長髪の方の青年は同じく
時の番人(クロノ・ナンバーズ)の
No.]、リン=シャオリーであり
彼は作り笑いをしながら言った。

「……スッキリしましたか?」

「まだ言い足りないぜ……ってなんでお前はそんな冷静なんだよ?」

「慌てたところで何も得る物なんてありませんから」

尚も作り笑いをしながら答えるシャオリー
からは慌てている様子は見えなかった。

「生意気な後輩だなぁ……けど妙な場所だよな」

「えぇ……さっきまでは都市に居た筈が突如霧が現れ進むとこの茂みに着いた……」

「それに電話も繋がらねぇから……」

「No.Tに報告も出来ませんね」

どうやら突然この妖怪の山に流れ着いて
しまったみたいだ。原因も分からず
知っている場所に出る為に歩いていたが
気配や地形からして少なくとも
遠く飛ばされてしまったんじゃないかと
シャオリーは1人仮説を立てていた。

そしてこの世界では何の意味も成さない
携帯電話を懐に仕舞ってジェノスは言った

「……何なんだ此処は?」

「さぁ……」

仮説があまりにも非現実的だった為
シャオリーは仮説が確信に繋がるまで
ジェノスには自分の考えを言うのは
控えていた……何故ならヘタに言えば
馬鹿が無駄に騒ぐと思ったからだ。

「とりあいず探索しないか?」

「下手に動くと危ないですよ?」

「動かねぇ事には始まらねーだろ……とにかく電波が繋がる場所を探すぜシャオ!」

「……分かりました」
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