野良猫幻想夢(上)

□Found sound-less movement walk skill
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「まずは準備運動からだぜ!」

最初に動いたのは魔理沙だった。手始めに
牽制程度のつもりで無数の星形弾幕を
展開させトレインに向け放った。

「!……」

降り注ぐ星の弾幕を初めて見た感想は
言葉をつい失う程の美しさ。まさか人生で
こんなものが見れるとはと言っても
過言ではない光景だった。まぁその話しと
戦いの話しは今回全く関係はないが……
それをすり抜けるようにかわすトレイン。

「やっぱこんなんじゃ無理か」

いや寧ろこの程度はかわしてもらわないと
困ると言い直した魔理沙に対し今の交戦で
ちょっと疑問を抱いたトレインは質問した

「どっから出してんだよ?そんなの」

「自然に出せるぜ!」

「………」

あとで『自然』という単語も調べようと
思ったトレインは装飾銃に手を掛ける。
その光景からして仕掛けてくるなと踏んだ
魔理沙は彼よりも先に動いた。

「お前もくるな!だがまずは私から仕掛けさせてもらうぜ!」

そう言いながら魔理沙は両手を前に
突き出す形にして構えた。現時点では
勘だがレーザー辺りが出てくるんじゃ
ないか?とつい思ってしまう程の構え。

「!?(何かくるな)」

「『イリュージョンレーザー』」

技の名前を唱えると共に突き出した手から
放たれた貫通性のレーザー。勘だったが
まさか本当にレーザーが人間から何も
装備しないで放たれるとは……と
少し驚いていたトレインだったが
そのレーザーは意外にも速かった。

「!(速いな……弾くと吹っ飛びそうだし普通にかわすが吉か)」

特に曲がらないところからしてこの技は
直線的レーザーと判断したトレインは
下手に迎え撃たず横に避けて回避する。

「トレイン読んでるね!」

「まだまだこれからですよ魔理沙の実力は……認めたくないけど火力だけならアイツは幻想郷最強クラスだから……」

「ほらどんどんいくぜ!」

続けて更に無数のレーザーを放つ魔理沙。
スピードと連射が可能な類いだと分析した
トレインにはもうそれをかわすのは
容易に出来た。いや分析というよりも
彼の場合只技に慣れたというだけか……

「そんな直線的な攻撃に!」

放たれる一撃一撃を全てギリギリまで
引き付けかわしその動作で徐々に魔理沙へ
接近するトレイン。だがそれは計算の内
だったのか彼女からは特に焦った顔はなく
寧ろ誘い込んだかのように感じさせた。

「詰めてきたか!けど……」

「!?」

構えが微妙にかわる魔理沙。だがその
動きに警戒を強めるトレインは前方に
意識を集中しながら突っ込んだ。

「『スターダストレヴァリエ』」

それと同時に新たな技の名を唱えた魔理沙
からは前方に無数の星屑を辺りに散乱させ
撒き散らす広範囲が売りの技が放たれた。

「網を張られたか……チッ」

わざと誘い込んでいた意味を今理解した
トレインは舌打ち後視界いっぱいに
広がった銀河のような星をかわす動作に
入って「ここは宇宙かよ?」と言った。

「さぁどうするトレイン!?」

「どーするもこーするも……」

かわすだけではいつか限界がくると悟った
トレインは右手に持つ装飾銃に力を入れ
回避の次に得意なあの動作に入った。

「かわせないなら弾くまでだ!」

そう言ってそのまま突っ込むトレイン。
レーザーとは違い威力も速さもそんなに
無いと見てすぐ分かった星形の弾幕に
彼は装飾銃を使ってブロッキングに入った

「レーザーじゃなくてそんな星屑程度なら簡単に弾けるぜ!」

一一一ドバッ

自分に被弾する星形弾幕だけを正確に
叩き落としながら更に魔理沙に接近し
詰め寄るトレイン。現在は誰が見ても
彼が優勢だと思っていた………が

「ニヤッ」

「!?」

この状況で突然の魔理沙の笑み。そして
この時トレインは悟った。これも自分を
誘い込ます為の網であったのだと……
そしてすぐに頭に浮かぶ1つの『仮説』

「トレインのやりそうな事はあの修行を通してよーく分かってるぜ」

「!」

「『ブレイジングスター』」

そう言うと同時に箒に乗った魔理沙は
かなりのスピードで急接近してきた。
少なくともあのレーザーよりかは速い。
しかしまだかわせる範囲内の速さだった。
……だがそれはあくまで弾幕などの余計な
ものに注意が向いていない時での話しだ。

現在の状況は無数の星形弾幕に神経を
集中しブロッキングしているトレイン。
つまり接近する魔理沙にまで今の彼では
反応は出来ても対応は出来ない状況だった

そこを魔理沙は狙っていたのだ。普通に
仕掛けても当たらない攻撃を組み合わせて
使うことで詰める彼女にしてはの頭脳戦。
この瞬間トレインの思っていた『仮説』は
確実に『確信』へと変わっていった。

反応出来ても、もう対応の出来ない距離
まで詰められ少し気付くのが遅かった
トレインはその一撃をくらってしまった。

一一一バキッ

「!!!……トレイーン!!!」

叫ぶフラン。決闘の行方はまだ分からない
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