博麗幻天夢
□The reality of the vision
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「…零射は帰りたいかしら?」
「元の世界に?……別にどっちでも良いんだ。正直なところ…」
「「!」」
「俺……10歳を過ぎてから変な呪いに気に入られちゃって…」
「?」
「俺に関わり過ぎた人間は誰でも必ず変死しちゃうんだ…」
零射の言ったセリフに案の定2人は驚いた顔をしていた。それは簡単に予想出来る。当然だろうと思った。だが零射の開く口は閉じることはなく言葉は止まらなかった。
「親から始まって親戚や友人まで全員……俺はこれ以上誰も殺させない為に自分から人との関わりを断ち切ったんだ」
零射は気付くと2人に今までのことを全て話していた……まともに人と話すのは何年振りと言える程の久しいものだった…
バイトでは軽い相槌や返事程度しか会話をしたことがなかった零射は2人に自分のことを話すのが少し嬉しかったのかも…しれない。
全てを話し終えた零射は深呼吸をした……全てを吐き出せて少し気が楽になったのか零射の顔は最初よりも少し柔らかくなっているようにも感じたがその裏に隠された悲しみに2人は勿論気付いていた…
「辛い過去だぜ」
「その呪い……見せて」
少しキツい顔をしながら言った魔理沙に続いて霊夢が零射に手を伸ばしてそう言う。
「!?(呪いを見せる?どうやって?)」
勿論見せろと言われた零射はどうしたら良いのかがイマイチよく分からなかった。すると霊夢は零射の返事を聞くことなくそのまま両手を掴み目を瞑っていた。
「!」
誰かに触られるのは本当に久し振りだった零射は霊夢の暖かくて柔らかい手の感触に少し取り乱しながら一応霊夢に問い掛けた。
「な、何してるの?」
「少し黙ってて……私が貴方の中を見てみるから…」
「?(中を見る?レントゲン?)」
「霊夢は一応巫女だからな!」
「一応じゃない!ちゃんとした巫女よ」
魔理沙の『一応』を断固否定した霊夢は再び意識を頭の中へと集中させていく…
それから暫くの間霊夢に手を握られている状態になる……非常に気まずいが魔理沙はそんな零射の反応を見て楽しんでいるかのように零射の顔を見ながらニヤけていた。
「…ふぅ」
漸く終わったのか零射の両手を離し霊夢も深呼吸をしていた。柔らかい感触がまだ自分の手に残る中落ち着くのをひとまず待ち…少しして零射は霊夢に聞いてみた。