博麗幻天夢

□The reality of the vision
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突如上空から箒に乗った魔女みたいな黒い服に白いエプロンを付属させた衣装を身に纏い黒い帽子に白いリボンがあしらわれた魔法帽を被った金髪の女の子が何かを唱えた瞬間に無数の星が降り注ぎ、化物に直撃する。第一印象は……綺麗な星だった。

そして化物は聞くに堪えない奇声と同時にその場に倒れ込んだ。あれだけ命中すれば当たり前でもあるが零射は今起きた状況に理解が追い付かない様子だった…

それと同時に人が空を飛んでいた。零射が驚愕している間にいつの間にか地面へ降り去った魔法使いが箒の先を肩に乗せながら徐々に零射へと歩み寄って行く…

「大丈夫かお前?人間が魔法の森に1人で入るなんて死にたいのか?」

魔法使いの口から出た新たな単語の数々。とりあえず真相を聞く為に零射はそう歳も離れていない少女に色々と問うことにした。

「…箒で空を飛ぶ君は魔女なの?魔法の森って何?」

「私は魔法使いだぜ!んで此処は危険な魔法の森だ!」

ここで確定を意味する本人の口からによる魔法使い宣言。白黒の服で身を包む少女は何も迷いもなくそれを口にしたところからして嘘偽りはないだろう。次に魔法の森と言う現在地の言葉に一番の疑問を抱いた。

「森?此処は日本?」

「ニホン?知らないぜ。なんだそりゃ?新しい茸の名前か?」

「…えっ?」

とりあえず聞き違いだと思った零射はもう一度同じ言葉を言い返すことにした。

「いや日本だよニッポン」

「聞いたことないぜ。お前大丈夫か頭?」

顔を見る限り少女はわざと嘘を付いているワケではないらしい。何故顔を見ただけでそんなことを言えるのかというと零射は結構人の表情や素振りなどで相手が嘘を付いているかどうかが分かるからである。人間観察とはまた違うがそういうのには自信があった。だから自信を持って言えた……この少女は本当に日本を知らないと。

「じゃあ此処はなんて場所なの?魔法の森じゃなくて国全体の名前というか…」

「全体?な此処は『幻想郷』だぜ!」

「…ちょっと意味が分からないんだけど」

「お前ホントに変な奴だな……人里から迷い込んだんじゃないのか?」

聞けば聞く程意味不明な返答ばかりを返す少女を見てこれ以上この子に喋らせては更に話しがややこしくなると抱いた。だがこの世界についてもっと詳しく詳細などを聞いてみたいと思う気持ちも少なからずあった……何より今は確信がほしかったのだ。
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