博麗幻天夢
□A new life
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落ち込む零射に対し霊夢はそう言う……霊夢の言ってくれる一言の全てが自分を元気付けてくれる……そう感じるのはまたこの変わった人生の中で喜びでもある。
「さぁ中に入りましょ」
「うん」
鍛練を終え神社の中に戻った霊夢は最初に時計に目がいく。それからすぐに台所に向かい今日も夕食の支度を始める。対し零射は今日もその様子を観察している。
「ランランラーン♪ランランラーン♪」
気分が良いのか霊夢は台所で鼻歌を歌っているみたいだ……すると零射は額を抑えて鍛練の時に感じた立ち眩みを思い出した。
「…被弾のし過ぎのせいかな?」
暫くしてテーブルに置かれる夕食は今日もとても美味しそう……いや絶対に美味しい。
「「いただきます」」
霊夢とハモりながら零射は箸を右手に持ち夕食を口にする。やっぱりとても美味しい。
「ぅ〜ん……少し眠いわね」
今日何時に起きたのか分からないが霊夢はもう眠そうだった。夕食中にうとうとする霊夢の姿は……もしかしたら零射の中で可愛いと抱いたのかもしれない。そんな感情を新たに感じ始めていた…
夕食を食べ終わると同時に霊夢はその場で寝っ転がってすぐに寝息をたててしまう。疲れているのだと察した零射は食器などを台所に運びそれを洗い少しの間だけ霊夢を休ませてあげることにした…
「これでよし」
食器を全て洗い終わりタオルで両手を拭き零射は隣の居間に移動し霊夢の元へと戻る。
「!?」
戻ると霊夢は無防備にも両手を自分の頭の下に乗せた状態で口から涎を垂らしながら気持ち良さそうな寝顔でスヤスヤと眠っていた。だが零射はそれと同時に霊夢のそんな姿を目視して再び立ち眩みが起こる。
気持ちを落ち着かせて立ち眩みが直るのを待ってから表情を戻しお風呂に入るよう零射は霊夢に言おうと思ったら…
「!」
無防備にも腋が全開に開いているのを見てしまった零射は内心ちょっとテンションが上がってしまったのかもしれない…
「えぇ!?」
立ち眩みの意味がここで少し分かった気がしたのか零射は少しため息を吐いた……これまでそんな機会がなかった為自分でも今の気持ちにびっくりしていた。異性との関わりを持つことによって零射は新たに恥じらいや気まずさなどの感情が生まれその中に少なからず異性への意識や欲求も含まれていたことに漸く気付くことに…