博麗幻天夢
□Ability
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「幻想郷で生きるなら生半可な覚悟じゃやっていけないことを私が教えてやるぜ!」
「ちょっと魔理沙!零射はまだ殆ど…」
「みんな最初は初心者だぜ?」
「!」
また珍しく魔理沙がまともらしいことを言うと霊夢も少し驚いていた……それは魔理沙の言った言葉が決して間違ってはいなかったことを意味している。
「あとは零射の才能だよな」
そう言うと箒を肩に掛けた魔理沙が零射に視界を変え距離を取って構え始める。
「本当に開花させたいなら私に死ぬ気で勝ってみろ!特訓は私を倒せたらクリアだ!良いな?」
「…確かに生半可な覚悟じゃ君には勝てなそうだね」
零射も真面目モードに切り替え魔理沙へと視界を向けながら少しは形になった構えを取ってゆっくりと息を吐く。すっかり戦闘モードの2人を見た霊夢はやれやれと今は何を言っても無駄と察した様子で鳥居の隣に移動し寄り掛かって1人観戦に入る。
「…良い目だ」
「実力も認めてほしいな」
「それも今から見極めてやるんだ!じゃあいくぜ!」
そんな流れで零射は魔理沙とのいきなり真剣勝負が今幕を開けてしまった。
「まずは小手調べだぜ!」
そう言うが早いか魔理沙はお得意の無数の星形弾幕を展開させて零射へと放った。初めて見たあの時とは数も速さもないがそれでも零射には結構キツいものだった。
「!」
「よく見ればかわせるわ!」
霊夢からのアドバイスを参考にして零射は動きを見切り展開されたその星形弾幕を次々とかわしていく……昨日の霊夢との特訓のお陰か多少の速さ慣れと見切りが零射の中で備わってきた。つまり特訓の成果が現れていたことを意味していた。
「おっ!只の人間にしてはやるな」
「君も人間でしょ?」
「違うぜ!私は普通の魔法使いだ!」
「(普通って……どこまでの範囲?)」
「じゃあお互いのウォーミングアップも終えたとこだしこっからが本番だ!」
「!」
そう言うと魔理沙は手に持っていた箒に跨り空中へと移動し片手を零射に向ける。
「(何か嫌な予感がする…)」
「『スターダストレヴァリエ』」
これから放たれる技の名を唱えると同時に先程とは比べものにならない程の密度の星形弾幕を展開させて零射へと放った。そして聞いたことのあるその名前に…
「あの技は化物を倒した時の!」