博麗幻天夢
□Ability
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「『ブレイジングスター』」
そう唱え終えると同時に魔理沙はもの凄い速さで零射に接近する。いや接近ではなくこの場では特攻と言った方が正しい。
「!?(電光石火!?)」
「かわして零射!」
「かわせるのか!?」
かわせと霊夢。かわせるかと魔理沙。正直かわせる自信なんて微塵もない。だが…
「………」
霊夢が見てる前で無様に逃げるワケには…負けるワケにはいかないと強く抱く零射。
「!?(目つきが変わった?)」
「零射?」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「唸ったとこで何も変わらないぜ!」
轟く声の後すぐに魔理沙は容赦なく零射に到達し箒の先端を角のようにして突き立て放つ……これは流石に終わったと思った。
「零射……やっぱりまだ」
…と思ったが零射は不思議な感じがした。
「?(確かに直撃したが零射にぶつかった音じゃないなこりゃ……もっと硬くて重い音だ)」
異変を抱く魔理沙は少し距離を取り衝突で発生した土煙が消えるのを待った。するとその場に居た零射が持っていたある物を見て2人は自分の目を疑っていた。
「なっ!!?」
まず一番最初に驚いたのはいつの間にか手に持っていたそれを見た零射…
「な、なんだこれ!!?」
続いて魔理沙からも驚いた感じで言葉を言い放つがまず一言……意味が分からない。
「…ちょっ」
夢だと信じたかったがやっぱり持っていたそれは……ちゃんと形を保っているようだ。気付くと零射の手には持ち手が黒く細長くて下には黒い鎖が装飾され先端は三日月を描いたような恐ろしい形状をした命を狩るのに最も適した鎌が握られていた。
「(えぇ!?)」
「お前いつそんなの出した!?」
「いや俺が一番最初に聞きたいよ!何この厳つい鎌は!大きさの割には重量が全く感じないし……こんなの持ったことないから怖いし何より…なんか自分に馴染むんだ」
いつの間にか無意識の内に握られていたその黒い鎌の正体が自分でも分からないことにも勿論驚いていたが何より零射が抱いたのは今まで普通だった自分が徐々に非常識へと変わっていく……それを何より恐れていた。未知数であれば尚のこと…
「どうやら無意識で零射の能力が開花したみたいね」
その突然どこからか出現してきた鎌を見た霊夢は能力を開花したのだと言った。
「「!!?」」