博麗幻天夢

□Ability
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「『全てを乖離する程度の能力』だよ」

「全てを乖離ってえぇ!?怖っ!!」

文の顔は案の定少し引き気味の顔になる。だが新聞記者としてもう少しだけ取材を続けたい気持ちもあったらしくメゲずに能力の名前をメモった後に次の質問をした。

「それで具体的にはどんな感じなんですかその能力は?」

「えーと…」

「言葉のままよ。全部乖離させることが出来るわ。それとこの能力とは別の何らかであるのは間違いないけど鎌を瞬時に手元へ出したり消したりが出来るわね」

「前者は背筋が凍りましたが後者の方は是非とも見てみたいですね!」

躊躇っている様子の零射を庇う形で霊夢が代わりに能力の説明をすると文は後者に述べた鎌に興味を抱き再びカメラを構えて零射に鎌を出せと要求しているような顔をしている。思っていた以上の食いつきに苦笑が混じりながら零射は右手を突き出す。

「じゃあ…いくよ」

そう言ってあの時とは逆で今度は頭の中で鎌が手元へ出ることを念じてみると……伸ばしていた右手にあの鎌がいつの間にか現れていた。瞬きをする間もなく出現した鎌を目の前で見た文は勿論驚いていた。

「おー!!」

同時にシャッター音とフラッシュの嵐が零射を襲う。流石に目が痛くなったのか途中カメラから視界を反らしていた…






「ハイ結構です!色々ありがとうございました!これで久し振りに良い新聞が作れそうです!でも重くないんですか?かなり大きいですよね…」

「実は……全然重さを感じないんだ」

「重さを…」

「感じない…ですか?」

零射の言葉に驚きと疑問を抱く2人。文は半信半疑で鎌を持ってみたいと要求した。

「気を付けてね」

「…っ!?…ちょ!!」

持ち手を文に持たせたのを確認した零射は鎌を離そうとした時文の血相は一転して変わり力の入ったような真剣な顔になる。

「文!?」

「!?」

それが好ましくない状況だとすぐに察した零射は鎌に再び力を入れて取り上げる……鎌から手が離れたことで力の入った血相が柔らかい血相へ変わっていく様子の文を変だと思った霊夢は問いてみることにした。

「どうしたのよ?急に苦しそうな顔なんてしちゃって」

「そりゃしますよ!!だってその鎌メチャクチャ重いじゃないですか!!」

「「!?」」
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