博麗幻天夢
□Pain or pleasure
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その後は霊夢とお茶を飲んだり雑談などでまったりと過ごしていた。それから時間も経過し空は夕日が沈んで夜へと変わる…
「さてと。そろそろ夕食の支度ね」
「俺は何をすれば良いかな?」
霊夢が立ち上がるのと同時に零射も続いて立ち上がると台所に肩を並べる形になる。
「あ、手伝ってくれるんだったわね。じゃあ零射はお味噌汁作ってくれる?」
「分かった」
「作れるわよね?」
「大丈夫だよ……えーと」
零射は手慣れた手つきで具材などを切り、味噌を溶かしてお味噌汁を作っていく。すぐ隣には霊夢が何かを揚げていた。
「唐揚げ?」
「そうよ。今日は零射が能力を開花させたからお祝いよ!だから奮発しちゃった」
唐揚げが霊夢の中では贅沢品なのかは別として自分の為に何かをしてくれてた霊夢に零射は一瞬涙が出そうになったがそれはすぐに嬉しさの笑みへと変わっていった。
「ありがとう…嬉しいよ」
「気にしないで。さぁ次はサラダを作るから野菜を切ってちょうだい」
「分かった」
それから少しして夕食が出来上がり2人は料理を持って台所から隣の居間へ移動してテーブルに座る。すると今日は昨日には見なかったものを零射は発見する。
「こ、これって…」
「?……只のワインよ」
霊夢が持っていたそれはワインだった……だがここであることを思ったのか零射は恐れ多い様子で霊夢に聞いてみた。
「お酒?霊夢未成年でしょ?」
「未成年?なんの話し?」
霊夢の口振りからしてこの世界には法律はなさそうな感じが読み取れてしまったのか零射は冷や汗をかきながらとりあえず外の世界のルールを霊夢に伝えてみる。
「お酒は二十歳からって馬鹿じゃないの?変な世界ね」
つまりこれで確定した。外の世界の常識は幻想郷では非常識な扱いになることに……そしてこっちではお酒に関しては未成年も糞もないらしい。話しによると12歳から飲めるという話しが時折耳に入るらしいが所詮噂なのでそれも定かではない…
「霊夢はお酒飲めるの?」
「当然よ!零射は?」
「いやまだ俺17だからお酒飲んだことないからまだどうとは…」
「じゃあ良いじゃない!」
霊夢は持ってきていたグラスにワインを注ぐとそれを零射に差し出して言った。
「!」
「今日からデビューね!」
…つまり飲めと言ってるらしい。